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少女と竜の物語-輪廻-  作者: ひととせそら
2/11

1.いつもと違う朝

ピピピ… チチチ…

「…んん…。」

心地良い小鳥の声。

麗らかな日差しが、私の体に当たる。

(…朝…?)

何かの夢を見ていたような…見ていないような…。

そんな微睡の中、私は目を擦りながら、

まだ温もりの残る柔らかな布団からゆっくりと体を起こす…。

のどかな村の、いつもの景色。いつもの朝。

もう一度目を瞑り、深呼吸を何度もする。

(…よし!)

目も覚めてきた私は、自分の部屋を後にした。


………。


……。


…。



◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



「おや、リーリアかい。おはよう。」

「おはよう、おばあちゃん。」

いつものおばあちゃんの柔らかい笑顔。

私は、いつもの朝食の準備をして、おばあちゃんの向かいの席に腰を下ろした。

他愛のない会話を始める。いつもの光景。

「おばあちゃん、今日の薬草取りのお手伝いは?」

「そうだねぇ…。アムタの根と、ヤーノ草をお願い出来るかね?」

「うん、任せて!」

おばあちゃんが薬屋さんをしているので、薬草取りを毎日手伝っている。

これもいつものやりとり。

私が席を立って薬草取りの準備をしに行こうとすると、

おばあちゃんが話しかけてきた。

「そうだ。今日はとても穏やかだから、こんな日は竜の守り人様に

会えるかもしれないねぇ。」

「…竜の、もりびと?」

何故かいつもと違う言葉が飛んだ。

「そうだよ。この大陸を見守ってくれている竜が、あの森の奥の神殿に

おわすんだよ。」

おばあちゃんは家のずっと先、村の外にある森の方を窓から眺めた。

「神殿?でも神殿なんてまだ一度も見た事もないよ、私…」

「ふふ、守り人様は恥ずかしがり屋なのかもしれないねぇ。」

そんな事を話して、おばあちゃんは部屋へ行ってしまった。

「竜のもりびと…。もりびと…?」

私は不思議に思いながらも、いつもの薬草取りへと出発した。


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