表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/100

-75- 追い抜く

 快晴の中、駅伝が行われている。食材しょくざい高校のアンカー、葱川ねぎかわは先頭を走る調理ちょうり商業の鴨岸かもぎしに35秒差をつけられ、2位に甘んじていた。たすきを受け取ったときは先頭と20秒差だったから、差を広げられたことになる。沿道から指示を出しているのは、コーチ、出汁だしである。出汁は、大声で、「差が広がってるっ! ぺースを上げろっ! ぺースをっ!!」と、大声でガナリ立てた。当然、その声は葱川にとどいていた。コーチの意思を知った葱川は『追い抜くんか~~いっ?!』と、心で愚痴った。次の瞬間、葱川の脚はギア・チェンジされ、速度が増し始めた。コース残りは、ほぼ半分の3Kmである。葱川は取り分けて相手を抜こうとは思っていなかった。

「どうなんでしょう?」

「ええ、ひょっとすると、逆転するということも…」

 テレピの実況中継がアナウンサーと解説者の会話を流していた。

「入れ替わる・・訳ですね?」

「入れ替わりはしませんが、順位が変わるかも知れません」

 アナウンサーは、『それが、入れ替わる、ってこったろうがっ!」と、心でえた。その怒りが葱川に伝わったのかは不明だが、葱川のぺースは瞬く間に上がった。

 半時間後、競技場のゴールでニッコリ微笑んでいたのは、調理商業の鴨岸ではなく食材高校の葱川だった。追い抜く気がなかった葱川は、結果として追い抜き、順位が逆転したのだ。出汁のガナリ立てがよかったのか、駅伝は美味おいしく茶ので食べられた。


                   完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ