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-61- 何もない

 アレコレとあるよりは何もない方が上手うまくいく・・ということは確かによくある。多勢に無勢は流石さすがにいただけないが、少数精鋭で烏合うごうの軍勢を撃破した・・などという合戦かっせんも過去の歴史の中で起きた事実である。それは今を生きる私達の世界でも言えるようだ。

 とある会社の専務室である。二人の男が応接椅子に座り、語り合っている。

「川端さん、すまないがアノ一件、なんとかならないでしょうかな?」

「専務! また私ですかっ?」

「いやね、情けない話だが、貴方あなたしか適当な人材が他に見当たらないんですよ」

「浮舟さんなんかどうですか?」

「ああ、浮舟さんね…。浮舟部長はいつもポカァ~~ンと池に浮いているだけの人ですから、頼りには…」

「専務! それはいくらなんでも、少し言い過ぎじゃないでしょうか」

「いや、くまで冗談ですよ、冗談。ははは…」

 上司のはずの専務の中洲なかすが川端に押されていた。

「まあ、どうしても! と言われるのなら、お引き受けしますが…」

「このとおり、恩にきますから…」

 中州は川端に両手を合わせて懇願した。中州の説明によれば、浮舟以外の他の部長達は、アレコレと手を回し過ぎて話がこじれるのだという。そこへいくと、損得勘定も何もない川端の折衝せっしょうは返って相手を信用させ、適任と見なされたのである。

「私でよければ…」

「はい! お任せします。なにぶんよろしくっ!!」

 次期社長の呼び名が高かった中州としては、いろいろあった。何もない川端は、その折衝をまとめ上げ、どういう訳か副社長に抜擢された。逆転された中州はかず飛ばずで、そのまま専務に甘んじた。


                   完

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