表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/100

-56- 先を越す

 人は先を越すことに固執こしつする余り、あらそう傾向が強い。中には柳に風・・と受け流す温厚な人もいるが、気短かな人ほど先を越そうとする。まあ早い話、それだけ出来が悪い・・と言われても仕方がない人々だ。しかも、こういう人ほど失態を起こし自滅するケースが世の中ではあとを絶たないのである。おそ過ぎるのも考えものだが、人生、そう急いだからといって変わるものではない。世の中が都合が悪いのだ・・と考えれば、また別の機会に・・という気分にもなれる。そういう人は間違いを起こしにくく、起こしたとしても、すぐ修正が出来る人だ。こういう気長きながな人は医師に向いている。先を越したつもりが、いつの間にか逆転して先を越されている・・といったこともよくあることだ。

 一台の車が時速50Km制限の道を走っている。この車を運転する男は、のんびりした性格の持ちぬしで、取り分けて急ごうともしていないのか、アクセルを踏まない。50Km少しくらいの速度で安定して車を走らせている。と、そのときだった。一台の車が左斜線から猛スピードで男の車を追い抜いた。70Kmくらいは出ているように思われた。追い越された車は制限速度一杯少々の遵法じゅんぽう速度ぎりぎりなのだから、先を越した車が法違反を犯したことは疑う余地がなかった。

「おっと! 危ないなぁ~ …」

 追い越された男は、思わずつぶやいたが、そのまま遠ざかる車を見るだけだった。そのときである。先を越して追い抜いた車が道路の側壁へぶつかり大破したのである。逆転して先を越された男は、結局、再逆転したということだ。後々(のちのち)、男が聞いた話では、事故を起こした車の運転者は即死だったそうである。

 先を越すと死ぬのだからこわい。


                   完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ