-46- 妨害(ぼうがい)
人の行為を妨害して喜んでいたりすると、逆転して妨害されることになる。━ 身から出た錆 ━ というやつで、悪事が同じ形で自分に跳ね返ってくる・・というのだから、この世は上手く出来ている。そういうことで・・でもないが、カラスも盗ったり突いたりしない方がいいだろう・・という結論となる。^^ むろん、その逆も言える訳で、いい事をすれば、その恩恵は必ずかどうかは別として、ある・・ということになる。ただ、この場合も、計算ずくでは何も起こらないか、下手をすると悪く報いるから怖い。その具体例は童話の中にもよく登場する。
「坂畑さん、あなた、アレ知りませんか?」
「えっ? なんでした?」
「いやぁ~、いつも消えるんで不思議に思っとったんですよ」
「なんのことです?」
「屋上で焼肉パーティしようと置いておいた肉がね」
「ああ、その件ですか。いや、私も実は不思議に思ってたんですよ。私が幹事をしたときも、夕方、大恥を掻きましたよ」
「そうなんですよ。いや、私もね。不思議に思えて、皆に訊ねたんですが、誰も運んだ覚えがない・・って言いますしね」
「マジックじゃないんですからね」
「ええ、時代劇でよく出てくる、悪党の急ぎ働きか何かですかね、ははは…」
「いや、笑えない話ですよ、これは。誰も知らないのに消える妨害ですから怖い」
「ええ、まあ…」
二人の顔は瑠璃色の光を放ち、少し紫色を帯びて蒼白くなった。
「警察へ一応、被害届を出した方が…」
「いや、それはもう少し調べてからにしましょう」
「そうですね。状況がはっきりした上で、ですよね」
「ええ、カラスだった・・なんて話になれば、ここの信用にもかかわります」
「ええ、そうですとも!」
しかし、事実は食べ残しをしない頭のいいカラスの仕業だった。さらに、カラスが食べたその肉は、生肉業者がどう間違えたのかカラス肉で、ポワレ[肉料理名]用の笹身だったのである。カラスはカラスを共食いして食べたことになる。
完




