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45/100

-45- 修正

 人である以上、必ず失敗は付きまとう。ははは…私に失敗など、ありはしないっ! とうそぶきながら大笑いした途端とたんつまづいて捻挫ねんざする・・といったような出来事は日常にちじょう茶飯事さはんじである。問題は、失敗に気づいたあとの行動差だ。ただちに修正しようと行動する者、あとで修正しようと思う者、まあ、いいか…次から注意しようと思うだけの者と、三者さんしゃ三様さんようの違いを生じる。

長鼻ながばなはどうしたっ?!」

「ああ、長鼻さんは奥さんの出産が近いそうで早退されましたよ」

「ああ、そうだったな。弱ったな…。コレ、君に出来るか?」

「ああ、コレですか。コレは、その…出来そうな、出来なさそうな…」

 顎川あごかわは副課長代理代行の足尾あしお曖昧あいまいに返した。

「はきつかんヤツだっ! もう、いいっ!」

「いや、出来ますっ!!」

 足尾の言葉にムカッ! とした顎川は、思わずそう言ってしまった。

本当ほんとかっ?! …まあ、いい。君しかおらんのだから仕方あるまいっ! じゃあ、明日までに頼んだぞっ!」

「はいっ!」

 返事はよかったが、顎川に先の見込みはついていなかった。

 足尾が去ったあと、顎川の奮戦が始まった。失敗しては、いや、まだまだ…と、心をあらたに修正していった。いつの間にか退社時間となり、皆が帰ったあとも顎川の奮戦は続いた。いつしか外は漆黒しっこくやみになっていた。

「精が出るね…これ、コンビニ弁当。あたためてもらったから、すぐ食べなさいっ!

 お茶とケーキも買っておいた。それじゃ、頑張ってなっ。頼んだよっ!」

「はいっ! 有難うございましたっ!」

 立ち去る足尾の後ろ姿を見て、足尾さんって、実はいい人なんだな…と、顎川は思った。そして、来年は、きっと副課長代理に出世されるだろう…と瞬間、思ったが、大した出世にも思えなくなり、修正して思うのをやめた。その後も顎川の奮闘は続き、失敗と修正を繰り返しつつ完成させ、いつの間にか眠ってしまっていた。気づけば明け方近くで、東の空が明るくなり始めていた。楽しみにしていたスキ焼パティーには参加できなくなった半面、顎川には達成感が残った。修正は逆転して達成感を生む。


                   完

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