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-42- ダイエット
中年以降になると肥満体になりやすい。
「君さぁ~、もう少し痩せた方がいいんじゃないか?」
「はあ…」
真夏の午後、外回りの営業から会社へ戻った小橋に、課長の石桁が声をかけた。びっしょりと汗を掻き、それをハンカチで拭きながら課に入ったところを、運悪く石桁と鉢合わせしてしまったのだ。
その日以降、小橋は太った体重を元に戻そうと、ダイエットに躍起になった。まず、炭水化物を取らない作戦に出た小橋は、豆腐にカレーをかけて1年食べ続ける・・という離れ業をやってのけた。まあ、離れ業というよりはアイデア業なのかも知れなかったが、馴れると妙なもので、これがどうしてどうして結構、いけたのである。お蔭で体重も約10Kg落とすことが出来た。
「ほう! なかなかスリムになったじゃないかっ! 汗も掻かなくなったしさぁ~。いい塩梅だよ、小橋さん!」
1年後、石桁は小橋にそう言った。
「はあ、どうも…」
小橋は内心で少し自慢げに石桁を見た。すると、以前より少し石桁が太って見えるではないか。
「課長、太られましたね。少しお痩せになった方がいいんじゃないでしょうか」
「ああ…どうも」
その日以降、小橋は太った体重を元に戻そうと、ダイエットに躍起になった。立場が逆転していた。
完




