-30- 原因
物事が起こるには、なんらかの原因がある。原因がなければ何も起こらない。所謂、そのままの状態だ。いいことが起こった場合は考える必要もないのだが、何か悪いことが起こったときは、逆転して過去を突き詰めれば、起こった理由と原因が判明する訳である。警察事件となるような悪いことが起こった場合は特にそうだ。
鉞は日永一日、飽きもせず一人でウデェ~~ンと寝転がり考えていた。どうしても無くした財布が見つからないのである。
『昨日はあった…』
それは鉞の脳裏にはっきりと記憶として残っていた。鉞は最後に財布を取り出したときの記憶を探った。無くすには無くすだけの原因があるはずなのだ。鉞は犯人を追うベテラン刑事にでもなったように巡った。そして、いつの間にかウトウトと眠り、気づけば夕方近くになっていた。
『ははは…まあ、いいか』
いい訳はないが、そう思ったとき鉞は、ふと、忘れていたことを思い出した。財布の中には何も入れていなかった…と。そして、財布を新しい財布に変えたんだった…と気づいたのである。
『その新しい財布は…』
鉞は棚の上に新旧、二つの財布を置いたことを思い出したのである。原因は財布の交換だった。
『道理で寝そべっていたはずだ…』
鉞はお足=お金と頭を巡らせたのである。鉞の発想だと、お足がないから動けない。で、寝そべって考えていた・・となる。確かにその考えも一理ある。^^
完




