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-26- 枯れる
植木が枯れれば大ごとである。だが、人の場合は逆転した意味合いで使われる場合が多い。
垣根越しに初老の隣人同士がバッタリと顔を合わせた。
「おっ! 盆栽の手入れですか。茶木さん、あなたも枯れましたな」
「ハハハ…そんな。たまたま、時間があっただけで…。私など、まだまた若僧ですよ。そういう、若葉さんこそ」
「ハハハ…私ですか? いけません、いけません。食い気も色気も若いときのまんま、・・いや、それ以上ですからなっ!」
そう言いながら、若葉は罰が悪いのか、片手を頭の後ろへ回し、残り少ない毛をボリボリと掻いた。
「いや! それは、お互いさまです、ワハハハ…」
「ワハハハ…。人は枯れませんなぁ~、丈夫なもんです」
「そこへいくと、植木は弱い」
「はぁ…」
二人は盆栽台に並べられた植木鉢を見ながら、さも枯れたような視線で見た。だが、二人の頭の中は、今夜の夕飯の料理は何なのか…だった。
人は余程のことがないと、逆転して枯れる・・ということはない強かな生き物だ。
完




