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-22- 断線
外からは別に異常がない一本のコ-ドなのだが、どういう訳か通電しない。大皺は、んっ? と、その電線をシゲシゲと上から下、斜めと眺め透かした。だがやはり、どこにも異常があるようには見えない。
「妙だ…」
大皺は首を捻りながら、ついでに回した。少し肩が凝っていたこともある。そして、しばらくして小さく呟いた。
「これは断線だな…」
二年ばかり前、同じ症状で通電しなくなったのを調べたところ、首尾よくコ-ドに歪な曲がりがあったため断線部分が分かり、ハンダ付けで修理したコ-ドだった。そのとき、すでに同等品を電気店へ注文したあとだったから、慌ててキャンセルの電話をかけた経緯があった。しばらくは何事もなく使えていたのだが、2年ばかり経った今、また同じ症状が出たのである。だが、今度は人工樹脂被膜のため断線部分が判明せず、プッツンと断線する諦めの発想となってしまった。^^ 大皺は腕組みをして考えた。逆転して考えれば、このコ-ドの寿命は、すでに2年前に終わっていたのかも知れない…と。だとすれば、2年以上も長く使えたのだから御の字ではないか…と、また思えたのである。そう思うと、大皺の断線した発想は、ふたたび繋がり、ポッ! と灯りを点した。
完




