君の決めた道
キス……してた……
好きな人と元カノがキス……
しかも……鷹志さんを取られたくなくて襲った女と……キス……
ベットに顔を埋めてそんなことを思っていた……
「鷹志さんも女の人が好きなのかな……」
その日、夢を見た。
温かくて長くて細い指……好きな人に抱かれてる……暖かい身体……
その暖かさがだんだん無くなっていき後ろから笑い声聞こえてきた……
「フフ、あんたなんかより私の方がいいに決まってる。男のあんたより女の私の方が……ね?」
後ろを振り向くとゆみと鷹志さんがだんだん離れていった……
ー待って!!!ー
自分の寝言で目が覚めた。
「鷹志さん……」
握った拳を開いて胸に当てて泣いていた
仕事に行っても鷹志さんとは話さない日が続いた……
フゥ……と息を吐き鷹志さんにこの書類を渡さなきゃと重い足を動かす
「あの……鷹志さん……これ……」
鷹志さんは目を合わせることなく言った
「そこに置いといて……」
書類を置くと静かに自分の席に戻る……
それから……なんとなく……前に女を抱いた時、鷹志さんに見られたことを思い出した……
「あれが鷹志さんならよかったのに……」
ボソッと言った言葉その言葉を後ろの女は聞いていて「え?」と声をあげた
「ゆ、ゆいさん……なんでもない……」
ゆいは目線を下にむけて言った
「今日……待ってます。いつまでも……いつまでも……」
そうだ。今日はゆいをふらなきゃ……
「ごめん……俺、好きなひ」
「知ってます!!!私、優人さんとは釣り合わないですよね?」
瞳に大粒の涙を今にも溢れそうな勢いで筒井優人の声を遮った。
「ごめん……」
泣いている。彼女を抱きしめたかったが変に優しくすると傷つけることを優人は知っていた
「ユミ、お前はなにがしたいんだ」
ユミは鷹志さんの目を見て笑った。
「ふふ、だって私は好きなんだもん……優人さんの事が……」