私はあなたを傷つける
「鷹志さん……ありがとうございます……」
ため息を吐いた……
「だから…お前は…嫌な女なんだよ…」
驚いた顔して言った
「え?でも、気持ちはわかりましたよ……でも、あなたも嫌がらないでよくしてくれましたね?」
首を傾げて言った。これもたぶん、可愛いと思ってやってるのだと……
「ありがとうございました。」
ペコリと頭を下げて鷹志に近づき耳元で……
「気持ちよかった……です。キス……」
と言いもう一度、ペコリと頭を下げて言った
「ほんとにありがとうございました」
路地裏に隠れるように姿を消した。
「あいつが……ほんとに……」
ー6年前ー
友達が
「好きだ」
と言ってきた。
「筒井優人さんが好きだ。でも……」
優人には一つ年下の弟がいた。
『そいつ』を大切にしていたから……萌笑は告白すら出来なかった……
そして、私もそんな大事な萌笑の泣き顔は見たくなかった……
そして……
ー数ヶ月後ー
筒井優人の弟を見かけた。
その時……赤信号で止まってた。『そいつ』の背中を押した……
私は思ってしまった……
『この背中を押せば『こいつ』は死ぬんではないか?私は押しただけで捕まるのは車に乗っていた。運転手じゃないか……『こいつ』が死ねば萌笑も……そして……』
私の予想通りに死んだ……
「え?助けてお兄……」
の言葉が今でも頭によぎる。
それが思い出になる前に萌笑に言った。
「死んでよかった……あいつがいるから『萌笑』は選ばれなかった……」
制服のスカートを握りしめ言った。
「死ねばいいんだよ……」
するとワイシャツの首元にシワが残るほどの勢いで優人は掴んできた
ー見てる。私を……私だけを……見てるー
シャツを掴んでない。片手で私の頬を殴った。
頬から殴った熱が段々と冷めていく……
もう一度、腕を上に上げた瞬間
「次に殴ったら警察呼ぶよ」
と静かに淡々と言った
掴んだ。シャツを離して去っていった。
「もう、やめて」
と萌笑は言った。その後、高校を卒業するまで話をすることは無かった