好きと嫌いの間の溝
だって、好きだから……
私が優人さんに叩かれる2年前……
私は、いろんな人にモテた。言わば、学校一の美少女だった。
そんな、私にも好きな人がいた。『筒井優人』だ。
中学の時も告られていく中で私を嫌う人もたくさんいた。
ひがみ……ねたみ……しっと……
その中で私は生きてきた。
だからこそ、分かったのが『筒井優人』のことが好きだ。ってことだけだった。
人の『ひがみ』や『ねたみ』や『しっと』が私に愛というのを教えてくれた。
私はあの人を苦しめたくて愛されたくて他の女と比べて欲しかった。
だからこそ、私は……『筒井優人』を愛した。
時は私が大学生の時になる。私が『筒井優人の弟』を殺した。と言うことを忘れさせた。
私はもう、あの頃には戻れない……彼はそんなことを忘れていた。
いや、思い出したくないようにも思えた……
彼の中の私は幼馴染みという以前の問題で……男に少し人気のある『女の人』だったんだと思う……
私と『優人』は付き合い始めた……あの時からだ。私を見透かして違う何かを見るようになったのは……
その時に初めて『金子鷹志』に出会った。
あ、なんだ。この人も私なんかに興味が無いのか……
そう思ったら行動するのに時間はかからなかった。
約1週間『金子鷹志』に付きまとった。
ただし、こちらからは『好き』と言わずに……こちらの愛は言わずに相手だけの愛を求めた。
そしたら、私は襲われた。
気持ちよかった。嬉しかった。愛した人に好かれてる。好意を求められてる。
その後、『金子鷹志』は卒業して私とも話すことは無かった。
それでも……
私は……
「好きだった。」
私は泣き崩れて言った
「だから!!!だから!!!だから!!!」
『金子鷹志』は頭を優しく撫でた。
「ユミ……そうだったんだ。」
ユミの後ろには優斗がいた。
後ろを向いてユミは言った。
「そうだよ!!!私はお前が好きで大好きで……でも、振り向いてくれない!!!だから、お前の『弟』を殺したし…『金子鷹志』を奪おうともした!!!酷いやつだよな?私はこんな、酷いことをしてもお前のことが好きで……お前が欲しくて……」
ユミは優斗の胸ぐらを掴んだ。
「いつの間にかこんなに醜く壊れていったんだよ!!!」
優斗は抱きしめて耳元で囁いた。
「忘れててごめんな?俺は弟が死んだのを忘れたくてお前のことも忘れようとしたんだよ……好きになってくれてありがとう」
抱きしめた手を引き剥がして金子鷹志の側に言った。
「でも、俺は鷹志さんのことが好きだ!!!……付き合ってください!!!」
頭を下げて「俺は……」と鷹志さんが言った後に俺はユミに背中を刺された。




