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俺とワンコで異世界コント  作者: 朝倉 ユウコ
本編
7/9

さらばフロちゃん キミの勇姿を忘れたい

 対戦格闘ゲーム

 シュババババッ!!(しっぽハメ) 俺、死んだ!!


 シューティング

 魔王「ファイアブレス!!」 卑怯だ!避けきれん!!


 レースゲー

 魔王にライド・オン☆ …何か違う。


 ギャルゲー

 眼鏡っ娘「わたし、あなたの事が…」

 魔王どこ行った?!


「フロちゃん、ネタはまだなのか?」

「今いいとこなので邪魔しないで欲しいのである。」

 って何でお前はゴロゴロしながらラノベ読んでるんだよ?!

「これもネタを閃く為である。」


「貴様ら……いい加減にしろよ……?」

 ヤバいっ!!魔王の堪忍袋の緒が切れた!!(むしろ今までよく持った。)


「特にそこの犬の態度は度し難い。犬らしい屈辱的な方法でこの場から消えてもらおうかっ!!」

 狙いはフロちゃんだとっ?!


 魔王は一瞬にして人型に戻ると、手近な大根の残骸を拾い上げ、フロちゃんの注意を引いた上で大きく振りかぶる。――まさかっ!!


「そらワンちゃん、取ってこい!!」

「バウッ!!」


 窓の外に放り投げられた残骸を、悲しいかな犬の習性でどこまでも追いかけてしまうフロちゃん。――待て!!ここは最上階だぞ!!


「フロちゃん!やめろ!! フロちゃーんっ!!」


 キャイイイイン…………!!


 後を追って身を乗り出すも一足遅く、フロちゃんは闇の底へと落下して行った。

 窓の下はただただ底無しの重苦しい空間が広がるのみ――。


「何、別れを惜しむ事は無い。貴様にもすぐ後を追わせてやろう。」

 せせら笑う魔王は、再びブラックドラゴンへと姿を変え、最後の獲物をいたぶろうと悠然と歩を進める。


 そんな魔王に、俺は獰猛な笑みを浮かべ、言い放った。


「魔王……っ!フラグが立った!!これで勝つる!! (貴様を許さない、これからが本番だ!!)」


 あっ、本音と建て前、逆だった。


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