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俺とワンコで異世界コント  作者: 朝倉 ユウコ
本編
4/9

ラブロマンス編?今回のテーマはコントだが?

「なあ、フロちゃん……俺は美少女とのめくるめく濃密なラブロマンスを堪能したんだよな。」

「そして魔王の卑劣な罠により、彼女の魂は儚くも失われた……。涙無しでは語れない超感動巨編だったのである。吾輩涙チョチョ切れ。グズッ。」


 そうだよな。決して二、三文字分で語れる内容では無いよな……何か二、三文字分の感慨しか無い気がするのは断じて気のせいだよなっ!!


「こちらは魔王城。固く閉ざされた鉄格子門は目の前です。今ここでワタクシは歴史的瞬間、『伝説の誕生』の現場に立ち会っております。さっそく当事者である冷凍大根の勇者様に突撃インタビューを試みましょう。……勇者様、決戦前の心境はいかがでしょうか?」


 突然、どこからともなく出現したお姉さんに俺はマイクを突き付けられる。


 あー……失礼ですがおたく、何処のどちらさんですか?


 顎をしゃくってフロちゃんに解説を促す。

「マンネリ化故のテコ入れ対策として呼んだゲストである。」

「それなら金髪碧眼美少女ちゃんがいるだろ!美少女ちゃんカァームバーァックッ!!」

「悲劇的演出で死亡したキャラを易々と生き返らせるのは諸刃の刃なのである。」

「脈絡無く訳の分からんキャラを投入するのだって悪手だろうよ」

「むう、一理ある。ではご退場願おうか。」

「え!?ちょ、ワタクシの出番コレだけえぇぇぇ!?」


 レポーターのお姉さんは地面の彼方にボッシュートした。


「さて、次の問題はこの鉄格子の門をどうやって突破するかだな。」

「挨拶して入れてもらうのである。」

 緊迫感も悲壮感も台無しだな!!元から無いけど!!


「ごーめんくださーい!!」

 ――音沙汰無し。


「ダメじゃないかコラ、ナチュラルに騙しやがって!」

「頼み方がマズイのである。」

「そうだな。アポ取りくらいはしとくべきな訳無え!!俺は魔王退治に来てるんだぞ!!」

 たぶん。


「仕方ない、最終兵器を投入するのである。マジカル変身!!ゴスロリファッション!!」


 ポンッ。 (最早演出を放棄した。)

 絶妙な丈のパステルピンクゴスロリファッションな俺登場


「な、ん、て、こ、と、し、や、が、るぅぅぅぅ!!」

「可愛いは正義、それが残酷な世界の真理。故に無敵の最終兵器、カワイイである。」

「俺がどんなにフリフリヒラヒラに着飾ってもカワイイにはなれないんだよ!!」

「諦めるのは早いのである」

 ただちに道を改めるべきだ!


「考えるな!感じるのである!!今のお主の心は穢れを知らない柔肌乙女っ!!男を手玉に取ることなどお手の物な天然小悪魔策士っ!! さあ、勇気を出してやってごらん!!」


 すね毛の足は内股気味。

 羽のような軽やかなターン。

 ふんわり広がるスカートは裾を抓んで貞淑に。

 無垢に小首を傾げる仕草は可憐そのもの。

 恥じらいに紅潮するはにかみ顔で、

 変声を迎えた青年ボイスを鈴のように転がして


「ごめんくださぁーいっ♡]

「オゲロロロロ!!」


 お前がやれって言ったんだろうがぁぁぁぁっ!!


「役者が足りない、まさしく大根な勇者である。」

 その前にチョイスが致命的だろうがっ!!

「俺ばっかりえげつない目に合わせやがってっ 文句言うならお前もこんな恰好してみろよ!!」


 ポンッ。

 ピンクのレオタードにナチュラルメイクなフロちゃん登場!!


「……俺が悪ぅございました。なので元に戻ってください。(土下座)」


 ゴツいゴスロリ女装男子の隣にレオタードパグは地獄絵図だ。 俺のなけなしの尊厳が塵芥と化すじゃないかっ!!(滂沱)


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