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俺とワンコで異世界コント  作者: 朝倉 ユウコ
本編
1/9

とりあえず始めよう

 心洗われる様な澄み渡った青空、青々と生い茂った草 遠く薄っすらと青く透ける山々。

 悪くはない牧歌的な景色である、が


  ――ここどこだよ――――。


  景色に見覚えないんだが?高校から帰る途中で迷ったってこんな処には辿り着かんだろ?我が家近辺、それなりに都会なつもりだったんだが、見渡しても建物一つ見つからないのはおかしいだろ……?


「うむ、気が付いたか。」

  尊大な口調にイラッとしながら振り返ると、そこには見知った顔があった。


  だが見知った人間じゃあなかった。


「ふ、フロちゃん?!」

  我が親戚のおばちゃん家のペット、こげ茶と白のコケティッシュな顔立ちのパグである。


  正式名称:フロレンシアちゃん(絶句


  思わずその小振りな体をわし掴んでまさぐる。

「ええい、ひゃめんかっ!!マイクもスマホも仕込んでないわっ!!」

「はぁ?じゃあ何で日本語しゃべってんだよ!? 口かっ!?仕掛けは口の中か!!?」

「いいはら放せっ!!吾輩は神の使いだぞっ!!」

「はぁ??」


  何だ神の使いって?何でフロちゃんが??

  まさかDOGとGODを掛けたジョークだとか言わんよな?


「何故かというと話せば長くなるが……」

  切なげに遠くを見つめるフロちゃん。うん、全くもって犬でパグだ。


「当初の予定では金髪碧眼スタイル抜群の超絶美少女だった。」

「は?」

「が、昨今の情勢では『理不尽暴力女』は一部の反感を買うらしい。なので代替として『ブーメランパンツのガチムチマッチョ』起用案が出た。」

「……はぁ??」

  訳が判らない。


「確かにBLの隆盛を見るにマッチョ採用において見込める新規層は厚いだろう。」

  いや、BL好きの中でもガチマッチョ好きはマイナーじゃないのか?

「しかし、リアリティ描写追及の際に問題が生じた。ポージング調査中『サイドトライセプト』の項を熟読したところ……」

  ……精神が耐え切れなくなったか。

「ネットの接続が不安定になった。」

  それが世界の選択だ。


「という訳で吾輩はパグである。喜べ。萌えキャラである。暴虐なツッコミを入れるともれなく動物愛護団体系のヘイトを集める安全圏の住人……住犬である。」

「知るかぁぁぁぁっ!!!」

  人が大人しく話を聞いてるってのに、さっぱり現状の説明になってないじゃないかっ!!


「うむ。冗談はここまでにして本題に入ろうか。」

  と、姿勢を正すフロちゃん。


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