18、「ダンジョンアタックの準備をしよう!」
「そろそろ行きましょうか。休憩は十分でしょう?」
ちょっとだけ落ち着いた真白さんが、鼻に詰めていたティッシュをすぽんと引き抜きながら言った。割と美少女の部類に入る彼女だが、妖精さんに興奮して鼻血だすとかずいぶんと残念な感じだ。
「ん、そうだな……」
見回すと、まだりあちゃんは目を覚ましておらず、ちょっと席をはずすとどこかに行ってしまったすらちゃんもまだ戻ってきてはいない。
「……もう少し待ってくれるか?」
「あんまり遅いと、夜になりますよ? 可能ならまおちゃんさんとも後で合流したいですし」
まおちゃんがこっちのセラ世界に来てるらしい事はわかっているけれど、なんだかんだで掲示板のぞく前にばたばたいろいろあったから状況がよくわかっていない。真白さんは掲示板見てたみたいだが何か知っているだろうか。。
「そういや、まおちゃんってどこにいるのかわかったの?」
「聞いた感じだと、どうもこの迷宮にいるような気がするんですけど、はっきりしたことはわからないですね。まおちゃんさん迷宮の名前知らないらしくて」
「ふーん」
そういやすらちゃんが、まおちゃんが近くにいたらわかるかも、みたいなこと言ってたがどうなんだろうな。もう一度見回すと、タイミングよく奥からすらちゃんが戻ってきたところだった。ふらふらとこちらに歩いてくる。
「あ、すらちゃん。前、まおちゃんいたらわかるかも、みたいなこと言ってたけど、この迷宮にまおちゃんがいるかどうかわかる?」
声をかけるとすらちゃんは頬を赤く染めたまま、ほぅ、と息を吐いてにこりと微笑んだ。
「……わかりません」
もじもじと、体の前で両手を合わせて体をよじらせる。なんか、ちょっと見覚えがあるっていうか、こないだすらちゃん大暴走したときみたいな感じだ。ちょっとずつ、俺の方に擦り寄ってきて、ぺとり、と背後から俺に身を寄せてくる。
「だいじょぶ? すらちゃん。なんかまたおかしくなってない?」
「だいじょうぶです」
言いながら、俺のわき腹あたりに頬をこすりつけてくる、猫がマーキングでもするようなかんじだ。
「……鈴里さん、幼女を惑わすフェロモンでも出してるんですか?」
真白さんがなんだか白い目で見つめてきたが、決して俺のせいではないはずだ。
「うーん。りあちゃんも目を覚まさないし、すらちゃんとりあちゃんもちみっこたちと一緒に案内所に戻ってもらったほうがいいのかな」
前衛のりあちゃんがいなくなるのはちょっと痛いが、訓練とはいえ危険な場所をつれまわせる状態では無さそうだ。
「ルラ、レラ、頼めるか?」
「わかったの!」
「らじゃったの!」
ちみっこたちが、ぴしりと敬礼する。
「太郎さん、私は……」
言いかけてすらちゃんが口をつぐんだ。
「いえ、そうですね。大人しくしていたほうがよさそうです……。別の意味でも太郎さんを襲ってしまいそうですから」
「……え?」
すっと、俺からすらちゃんが身を離す。すらちゃんが頬ずりしていたわき腹のあたりが、ちょっと黒く焦げていた。酸か? 酸なのか? なんかスライムとしての本能がどうとかいってたけど俺溶かして喰っちまうところだったのか?
「そうすると、探索メンバーは、私、真人、ニャア、ヴァルナさん、ララ様、鈴里さん、リーアちゃん、シルヴィさん、ディエちゃんの9人ってことになるのかしら?」
真白さんが両手で指折り数えながら周りを見回す。
「そうなるかな」
これで全員だよな?
俺も指折り数えてみたが、たぶん間違いないはずだ。人数が増えるとついうっかり、意識からもれちゃうことがあっったりするんだよな。リーアとか喋らないし。
「じゃ、おにいちゃん、わたしたちは戻ってるの」
「案内所でおやつたべながら観戦してるのー」
ルラとレラが両手をあげた。
「おう、すまないな。すらちゃんとりあちゃんをよろしく頼む」
「まかされたの!」
「楽しみにしてるの!」
楽しみにって? 何かする気なのか?
でもまぁ、こいつらに任せておけばたぶん大丈夫だろう。
俺が頭をなでてやると、ちみっこたちはきゃっきゃと声を上げた。それからすらちゃんと一緒に三人でりあちゃんを抱上げ、売店の脇にある、案内所へと続くらしいワープゾーンに入っていった。
「……さて、ここから本格的な冒険となるらしいし、改めて自己紹介と行こうか」
俺は残ったメンバーを見回した。
寧子さん、その膝の上のニャアちゃん、真白さんに真人くん、ヴァルナさんとシルヴィ、俺の頭の上のディエとリーア。
戦力把握の意味でも、スカウターで調べさせてもらった方がいいかもしれないな。
「まずは俺から。鈴里太郎だ。武器はこの火乃木の棒だが、はっきりいってシロウトだからあまり役に立たないと思ってくれ。あといくつか魔法を使えるのでたぶんこっちがメインになるかな?」
「……あら、鈴里さん、いつ魔法なんか覚えたんですか?」
真白さんがきょとんとした顔でこちらを見つめてきた。真白さんたちもたぶん俺と同じで基本的には魔法を使うことは出来ないだろうから、不思議だったのだろう。
「正確にはセカイツクールでシステムコマンド叩いてるだけなんで、俺が魔法覚えたわけじゃないよ」
スマホを指差して説明する。しかし真白さんは首を傾げるだけだった。
「???」
真白さんはわかっていないようだが、確かにプログラムとか触ったこと無い人にはわかんないだろうな。
「まぁ、魔法っぽいことできるってことだけ知っておいて欲しい。後方から支援する感じかな」
「わからないけど、わかりました」
真白さんが首を傾げたままうなずいた。
「次はあたしかな? 三池寧子でーっす。ねいこちゃんってよんでね? こことは別の世界の創世神だよっ? でもここで無茶やる気はないでーっす! 武器はとりあえずこのじゅうろくとんはんまー! かっちょいー鎧も用意してきたから盾役やるよっ?!」
無駄に高いテンションで寧子さんが「ひゃっふー!」と吼える。まあ、遊ぶ気で来ているのでかみさまぱうわぁとやらでご無体なことはしないのだろうと信じたい。
しかし、創世神を名乗ってもどこからもツッコミがこないところがなんか不思議だ。神さまって結構そこらをうろついてるもんなのかな。
「ん、次はあたしかにゃ?」
寧子さんの膝の上から、ひょいと飛び降りて黒猫ニャアちゃんが言った。ててて、と真白さんの側に行くと真白さんがワンピースのような筒状の服をニャアちゃんの上に被せた。
「へーんしん!」
しゃきーんとばかりに人間の姿になったニャアちゃんが服からねこみみを突き出してポーズを取る。
「あたしはニャア・ミーア・ディストにゃ。見ての通りの獣族にゃ。スカウト技能と白魔法をつかえますにゃ。罠と宝箱はまかせとくにゃ!」
おー。盗賊技能持ちなのか。それはいい感じだ。
「あ、ニャアちゃんちょっと調べさせてもらってもいい?」
「ん? なんにゃ?」
「鈴里さん、ニャアちゃんをモフるのはだめです」
真白さんにガードされてしまう。
「いや、このスカウターでちょっとね? これで一度調べておくと、離れ離れになった時にも場所とかわかるらしいんで」
「……なんかいろいろチートですよね? 鈴里さんは」
真白さんがため息を吐いた。
言われてみると、直接的なチート能力なんてないけれど、うちのちみっこ女神たちにはずいぶんと便宜を図ってもらっているのは確かだな。
「よくわからないけど、調べていいにゃ」
「ん、ありがとな」
許可が出たのでニャアちゃんをスカウターで調べてみる。
名前 :ニャア・ミャ・クラウ・ティット・リンクス
種族 :獣族(女)
職業 :探索者
レベル :16
戦闘力 :210
好感度 :40%
称号 :「ねこみみたん」
「おなかなでるにゃ?」
「黒い子猫の円舞曲」
コメント:ねこみみたんなの。
完全な猫の姿に変身できる変わり者なの。
語尾に「にゃ」をつけるところがあざといの!
天然ぽくみえて、じつは意外としたたかなの。
……うん、普通に俺より強い。レベルとか雰囲気だってちみっこたちは言ってたが、ほんとレベルと戦闘力に関係性が無い感じだ。りあちゃんよりは戦闘力低いようだが、ニャアちゃんは今、武器を持ってないから、ちゃんとした装備をすればさらに強くなるに違いない。
「どうですにゃ?」
ねこみみをぴこんぴこんと動かしながら、ニャアちゃんがしっぽをふる。
「うん、ありがとう」
礼を言って頭をなでると、みぃちゃんとはまた違った毛並みで気持ちよかった。「にゃ~」
とニャアちゃんが鳴いてごろごろと喉を鳴らす。
「こら! お触り禁止!」
そこへ真白さんがぴぴーと笛を鳴らして、ニャアちゃんを俺から引き離した。
「ナデポってやつ? なんか鈴里さん、幼女をとりこにするチートでもあるっぽいからニャアちゃんにさわっちゃダメです」
「おいおい……」
ナデポってあれか、なでなでするとなぜか女の子が惚れちゃうやつ。
そんな都合のいいチートあったら、俺今頃モテモテのウッハウハなんだがな……。
「じゃ次は私ね?」
ニャアちゃんをガードしながら真白さんが自身を指差した。
「私は雪風真白。部活で剣道やってるから、少しは剣に自身があるわ。前衛でいくからよろしくね」
「あれ、真白さん前衛やるんだ?」
俺と同じでひ弱な現代人だろうし、武器らしいものを持っていなかったから、司令塔的な役割でもやってるのかと思っていたのに、自ら武器を振るっていたとは驚きだった。
「え、だって異世界で冒険するなら、剣持たなきゃでしょう?」
確かにそうだよな。剣と魔法の世界って言うくらいだし。
俺だって使いこなせて無いけどソディアを振り回してるし、やっぱ異世界冒険は剣振り回してなんぼだ。うん。納得。
「真白さんも調べていい?」
「いいですけど、そのスカウターってどんな情報が表示されるんですか? 内容を私にも教えて欲しいです」
「ああ、ちょっとまって」
許可が出たのでスカウターで真白さんを調べてみる
名前 :雪風真白
種族 :人間(女)
職業 :勇者候補
レベル :17
戦闘力 :582
好感度 :55%
称号 :「勇者候補生」
「英雄志願」
「凍てつく吹雪」
コメント:フィラちゃんに選ばれた勇者候補なの。
見た目は大和撫子だけど、
なかみはけっこう残念だったりするの。
実は意外と肉体派なの。
「……え?」
あれ、なんか戦闘力の桁まちがってねぇ?
俺、確かレベル24で、アーティファクトのソディアを装備した状態で戦闘力55とかだったんですがっ?! 真白さん戦闘力俺の十倍こえとるし! 割と武闘派なりあちゃんより戦闘力上だし! というか、真白さん武器とか持ってるように見えないんだが、まさか装備するとさらに戦闘力あがんのか?
「どうかしました? 鈴里さん」
「なんでそんな、戦闘力高いんすか、真白さん……?」
コメントの部分はごまかして、俺が見ることの出来たステータスを告げる。ついでに俺のステータスやニャアちゃんのステータスも教えると、真白さんは「えへっ」と悪戯っぽく笑った。
「この剣のおかげなんじゃないかな?」
真白さんがくるり、と手首を捻ると、いつの間にかその手に一振りの長剣が握られていた。
「魔法の剣? いや、もしかして、アーティファクト?」
なんとなく、ソディアに似た独特の厳かな雰囲気がある剣だった。
「正解。勇者を名乗るなら、せめて武器くらいはいいものをってね。女神さまからもらったの」
んふふー、と鞘に頬ずりするようにして真白さんが怖い笑みを浮かべる。
「いつでもどこでも、手元に呼び寄せることが出来る、ってだけのただの長剣なんだけどね」
「へー、すごいですね」
っていうか、あれ。真白さんたちは木製の武器じゃないんかな。
「じゃ、次は僕かな」
今まで隅っこの方で穏やかに微笑んでいた真人くんが、真白さんと同じようにくるりと手首を返すと、両手に短剣が握られていた。
「雪風、真人です。真白の弟です。特に武道はたしなんでいませんが、この短剣を使います。前衛、になるのかな。足で動き回ってかく乱する感じかも」
名前 :雪風真人
種族 :人間(男)
職業 :勇者候補
レベル :16
戦闘力 :454
好感度 :50%
称号 :「勇者候補生」
「おじいちゃん」
「神速の幻想」
コメント:ティラちゃんに選ばれた勇者候補なの。
見た目どおりの草食系だんしなの。
でもなかみはけっこうおじいちゃんぽいの。
実は影が薄いのを結構きにしてるの!
真人くん、君もかっ?! 神速の幻影とかなんかすごそうな称号までついてるし、なんか分身とかすんじゃねって感じだし。あれか、双剣使いってやつか。真白さんよりは戦闘力低めだけど、手数大目で連続でガシガシいくようだと真白さんよりダメージソースとしては上になりそうな。
……いやマジで俺役立たずっぽい。
「つぎはわたしか?」
床に座って前にシルヴィを抱えたままのヴァルナさんが、フードを脱いだ。
「わたしはヴァルナ・ローディア。冥族だ。神代魔法を得意とする。武器はあまり得意ではないが、杖や棍をつかった格闘術を少々やる」
名前 :ヴァルナ・ローディア
種族 :冥族(女)
職業 :賢者
レベル :1227
戦闘力 :9999
好感度 :30%
称号 :「時の賢者」
「愚者の妹」
コメント:ヴァラぞくのおねえさんなの。
でもヴァラとしてはちょっと変り種なの。
好奇心旺盛で、知りたがり屋さんなの。
ヴァルナさんは、レベル高い分だけなんか納得な戦闘力だ。いやレベルとの対比で見るならレベルが高い割には戦闘力低いのか? 武器だからまた違うのかもしれないが、ソディアは確かレベル800で戦闘力50000くらいあったし、ヴァルナさんが戦闘力9999とかって、四桁でなんか壁でもあるのかもしれない。
「んあ……」
ヴァルナさんに抱かれて呆けた顔で虚空を見つめていたシルヴィの目の焦点が合った。
「わたしの番か。わたしはシルヴィスティア・サークリングス。冥族だ。神代魔法と白魔法、それに神聖魔法を使う。素手での格闘術も少々か。まぁ、こちらは当てにしないでくれ」
名前 :シルヴィスティア・サークリングス
種族 :冥族(女)
職業 :サークリングスの街の領主
レベル :34
戦闘力 :78000
好感度 :105%
力 :5
知恵 :28
信仰心 :24
生命力 :7
素早さ :14
運 :7
スキル :神聖魔法Lv10
神代魔法Lv30
白魔法Lv20
称号 :「魔法幼女」
「肉食系幼女」
「永遠の幼女」
装備 :E愚者の指輪
E冥族のローブ
コメント:横からおにいちゃんをかっさらおうとした悪い子なの。
灰になっちゃえばよかったの。
見た目はようじょ、なかみはおばさんなのっ!
だまされちゃだめよ、おにいちゃんっ!
……コメントにちみっこたちの悪意がつまっとるな。
好感度100越えてるせいか、ステータスまで表示されるようだ。それにしてもやっぱり戦闘力が無茶苦茶だ。いや、ダークゾーンを力押しで破壊したりとか結構すごかったとはおもうが。
『りーあ』
頭の上のリーアがホワイトボードをぱたぱた振った。
「ああ、リーアのは俺が説明しとこうかな。この子はトリストリーア、飛沫族だ。なんかしらないけどいつのかにか空を飛べるように。喋らないけれど音で攻撃とかするっぽい」
ついでだ、リーアのも確認しとくか。
名前 :トリストリーア
種族 :飛沫族
職業 :歌姫
レベル :12
戦闘力 :20
好感度 :70%
称号 :「沈黙の歌姫」
コメント:おそらをおよぐにんぎょさんなの。
おとを使って攻撃するの。
すけるとんの腰骨をくだくのがだいすきなの。
そらをとべるから、もうおにいちゃんだっこしないでね?
戦闘力低いの見るとなんか安心する……。が、前みたときよりは上がってる気がするな?
まてよ、俺のステータスとかも実は上がってたりするかもしれんな。確認してみよう。
名前 :鈴里太郎
種族 :人間(男)
職業 :伝説の勇者(になる予定)
レベル :24
HP :135/140
MP :30/30
戦闘力 :10
力 :9
知恵 :8
信仰心 :6
生命力 :10
素早さ :8
運 :17
装備 : 破魔の剣ソディア
ひのきのぼう
E火乃木の棒
Eおなべのふた
E布の服
スキル :創世魔法Lv0
ねこみみ三級
称号 :「女神のお気に入り」
「ケモナー」
「週末勇者」
「幼女たらし」
コメント:おにいちゃんのぼうけんはまだこれからなの!
おうえんしてるの!
まだまだたよりないけれど、
いつかでんせつのゆーしゃさまになってね(はぁと)!
……火乃木の棒だと戦闘力さがってるしっ! いや、はっきりおぼえて無いけどステータスとかちょっと上がってるんかな? それにスマホで神代魔法使えるはずなんだがその分は戦闘力にふくまれてないっぽい?
雰囲気っていってたし、気にすることは無いんだろうか。
「とりはわたしかな?」
頭の上のディエが、宙返りした。
だから、お前は早くぱんつを穿きなさい。見えるぞ。
「ディエンテッタです。ホムンクルスです。なんの役にも立ちません!」
言い切りやがった。シェイラさんが無駄飯喰らいって言ってたの、案外本気だったのかもしれない。
名前 :ディエンテッタ・ヴィスコンティ
種族 :人工生命体
職業 :妖精(偽)
レベル :1
戦闘力 :0
好感度 :60%
称号 :「正体不明」
コメント:見た目はようせいさんだけど、しょうたいふめいなの。
悪意はないようだけれど、きをつけてね?
安心の戦闘力ゼロ。まぁ、あんまり期待してなかったけれど、妖精じゃないらしいからな。ホンモノ妖精だったら魔法とか得意そうなんだけど、偽妖精に期待しちゃいけない。うん。
「さてそうすると、最前列に寧子さん、ニャアちゃんニ列目に真白さん、俺、真人くん、三列目にシルヴィ、リーア、ヴァルナさんの後衛組みってかんじかな」
「それでよさそうですね。バックアアタックとかあればすぐに私と真人が下がります」
真白さんがうなずいた。
実際に隊列を組んでみて、動きをシミュレートしてみる。ちみっこたちに持たせていた懐中電灯は俺が持つことにした。役立たずの俺は中央で司令塔ポジションだな。もう一本はニャアちゃんが持ってるといいかもしれない。かぎ開けとか手元に明かりがあったほうがいいだろうし。
「じゃ、こんな感じで」
「よし、いこう!」
俺達の冒険はこれからだっ!
……ほんとギリギリで5日内。そのうち週一とかになってずるずる消えそうな……。