死というもの
私は「死」というものときちんと向かい合ったことがあるだろうか。
そもそも「死」と聞いたとき、人はどのようなイメージを思い浮かべるだろう。
すべての終わり、悲しみ、恐怖など様々なものがあると思うが、その大半はネガティブなものだろう。
そう「死」とは、生まれつき人から忌み嫌われてしまう、いわばかわいそうな存在である。
「生」がプラスだとすると、「死」はマイナス。そう考えてしまうのは、至極単純なことかもしれない。
しかし果たして本当にそうであろうか。
もともと「死」とは、まことに不思議な存在であった。
死んだ後はどうなるのか。天国に行くのか、地獄に行くのか、それとも生まれ変わるのか。
それは科学が発達した今日でも、まだはっきりとは解明されていない。
科学の力ではどうにもできないことであるからだ。
そして人々は、独断と偏見により「死」を悪と決め付け、生きることが善であると思い込んでいる。
そのようにして、最初から暗闇にはまっていたその存在は、さらに「偏見」という名の殻で覆われてしまった。
またしても真実は闇へと葬られてしまったのだ。
やはり私に「死」は重すぎる。