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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

雪国菜之里

作者: 火水 蛍竜
掲載日:2026/04/12

少し怖い表現があります。

苦手な方は回れ右をして、読むのをやめてください。

初めての投稿なので、温かい目で見ていただけると嬉しいです。

短編ですので、時間潰しにどうぞ。


春を思うと桜が舞う姿が目に浮かぶ人が多いでしょうね。

私の友人の1人は春で思い浮かぶものは桜ではありませんでした。

その友人は春を思うと、雪の季節と考えていました。その友人は日本生まれの日本育ち、海外に行ったことすらない人なのです。

彼は

「僕の故郷の村では春は雪は降る。けど菜の花が咲くんだ。」

とよく話してくれました。

ある日私は何を思ったのか、唐突にその菜の花が見てみたいと思いました。そこで私は思い切って友人、玲に

「その菜の花が見てみたい」

と言ってしまいました。

玲はにっこりと

「ぜひきてくれ」

と笑って言ってくれた。

その後一週間くらい経ったくらいだろうか、私たちは玲の故郷に向かった。

「おい起きろ」

という声で私は目を覚ました。

私はいつの間にか寝ていたようだった。

玲は

「ついたぞ」

と起きたばかりの私に言ってくれた。

周りを見てみると白銀に染まった雪景色が広がっていた。今朝見たニュースでは桜が見事に咲いていると放送していたのにだ。

その雪の間から菜の花がチラチラと顔を覗かせている。

私がその景色に見惚れていると後ろから玲が、

「僕の実家に荷物を置きに行こう」

と言ってきた。私は渋々頷きその雪野原を後に玲の家へと向かっていった。

玲の家に荷物を置いていった後、私は雪野原に咲く菜の花を見つめた。

花は赤く染まっており、周りの白銀の世界と調和してとても美しいと感じた。

しばらく眺めていた。

長い間、雪と菜の花の世界を眺めていた。

二時間ほど経った頃だろうか、私は血を流し雪の上に倒れていた。

背中にに包丁だろうか、刃物が刺さっている感覚がした。

雪に私の血と引きずられた跡が残っていく。

家の中に引き摺り込まれていく。

家の台所らしきところに着くと、うつ伏せだった私の体がひっくり返された。

こんな馬鹿なことをした奴の顔を私は見た。

そいつは、私と兄弟というべき友人、玲だった。

玲は包丁を取り出し屍となった私にいった。

「菜の花と雪って綺麗だよね。赤い菜の花はねヒトからできてるんだ。最後にいい思い出ができたかな、できたといいな。じゃぁね」

その時私は気がついた。

美しいと思った菜の花は、人の命の美しさゆえだと。

そして咲いていた菜の花は全てこの村で殺されていった被害者たちの命の分咲いているんだと。

私が三途の川を渡る時、ふと聞き覚えのある声で、

「美味しかったなぁ、大好きだったなぁ。生まれ変わったらまた僕のところに来て欲しいな。」

というつぶやきを聞いた気がした。

気に入っていただけたら幸いです。

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