表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
訳あり転生  作者: シエルノクス
誤解と脱出
7/12

アリナ

7話 アリナ


私の名前はアリナ。ごく普通のエルフです。

私は家族の事が思い出せないのです。

私が5歳の時、名前も知らない女のエルフに引き取られました。とても、辛い辛い日々でした…

数年後、私は旅に出ました。それは、昔誰かに本で読んでもらった、勇者に憧れていたからです。

母からは人間は凶悪だと言われていたけど、全然そんな事はない。

だって、一度私は人間に会ったことがあるからで、それは本の中の勇者と同じような人。

それは数十年も前の話。もう人間の寿命的にあの人は亡くなっています。

それでも大丈夫。私がエルフも人間もちゃんと仲良くできる未来を作ります!


だけど今、人生の危機に陥ってしまったんです!とうぞく?という人間の種族に捕まえられたのです!

───誰か助けてっ!

その瞬間、ものすごい打撃音がした後、盗賊は急にパタリとその場に倒れ込みました。

盗賊を倒したのは花梨さん。隣にいるのは華奈さん。そう教えて貰いました!

しかし、花梨さんも華奈そんも見慣れない格好をしていますね…出身が違うのでしょうか?私はこの人達と旅がしたい!人間についてもっと知りたい!そう思いました。

だからこの人達のパーティに入れて貰ったんです!実はこの2人は異世界?というところから来ていて、その世界では色々な技術が発展しているらしく、いつか私も異世界に行ってみたいです。

数日後、みつきさん?という人に出会って、その人も二人と同じ異世界から来たと言いました。

この3人は、そもそもどうやってこの世界に来たのでしょうか?受付嬢さんが言っていた、大賢者の言う、異界の扉に関係があるのでしょうか?

その後、王都までモンスターの多い村を通らなくては行けなくて、想像を超える量のモンスターがいました。そして私たちが苦戦していたら、大精霊スズラン様が現れました。スズラン様はキツネに化けていたそうで、全く気配を感知できませんでした。そしてスズラン様は私たちに特別な加護を授けて下さり、戦いは瞬く間に終わりました。


そして、やっとの思いで大賢者の所までたどり着きました!

調べてみると、記憶の水晶が地下迷宮のどこかに眠っていて、そこで異世界に行けるらしいのです。

異世界に行けたらなにをしよう。そう考えていました。


ですが、異世界に行くことはできませんでした。失敗したのです。

───せっかくこの世界からおさらばできると思ったのに…

私の実家が近いからという理由で家に挨拶することになってしまいました。

親は大の人間嫌い。村では他に人間嫌いはいないのに、親は昔の常識に囚われている。

昔、エルフの村が盗賊に侵略されて、それを止めたのがあの勇者。

二度と帰りたくなかったのに…

私は人間の話をする度屋根裏で叩かれていたのです。


結局来てしまった。


母「おかえり。アリナ。その醜い人間は何?」

アリナ「は?」

何かがプツンと切れる音がした。

アリナ「…みんな、帰ろう?もうここに居たくない…」

母「駄目です。ここに残りなさい!」

その瞬間、私は壁につき飛ばされた。

父「おい!!!!!」

母「あらあなた。帰ってたのね?ご覧なさい?悪しき人間がいまアリナの事を突き飛ばしてたのよ?」

父「嘘をつくな。突き飛ばしたのはお前だ」

「もうお前の食わず嫌いには懲り懲りだ!」

ふたりが何か言い合っている。あれ?だんだん聞こえなく…

花梨「あのっ!」

「人間には悪い人もいますけど、いい人もいますよ!」

母「何言ってるのよ」

花梨「お金に困っている人にパンを分け与えたり環境に悪いものは排除したり風邪をひいた人にお薬を渡したり」

母「うるさいわ!」

母が石を投げつけた。

花梨「痛っ!」

父「いい加減にしろ!ラミィ!」

母「もういいわ。婚約破棄よ。」

アリナ「もうやめて!」

アリナ「ごめんなさい。()()を連れてきてごめんなさい。でも───」

母「うるさいうるさい!全員死ねぇぇ!!!!!!」

───もうダメだ…

???「やめろ!!!」

母「なっ…お前は…!」

アリナ「で、殿下!!!」

そこに居たのは、この国、フォモリオン王国の殿下。

殿下「お母さん。子供に武器を振るっては行けませんよ。それにお父さんから虐待の証拠を貰っていますよ」

母「は…?な、なんのことかしら?」

殿下「これは、立派な犯罪です」

母「仕方ないじゃない!私の子が悪しき人間を語るのだから!」

殿下「───自分の子?それは違いますね。」

「あなたは()()()なのですから。」

そうだ…全部思い出した。引き取られたんじゃなくて、私、誘拐されたんだ。

父「それは本当か!?引き取ってきたと言っていたじゃないか!?」

母「バレたらしょうがないわね。」

母「私は誘拐犯よ?そして───」

「あなたの妻の双子の姉よ。」

え?双子の…姉?

父「どういうことだ?お前は一人っ子って」

母「ごめんなさいね?あなたに一目惚れしたから瓜二つの妹は殺しちゃったの」

父「は?…なんでそんなことでこの世に1人の妹を殺すんだよ…」

母「ふふふ…」

父「ふふふじゃねぇ!自分のした事が分かってんのか!!!?」

他のみんなはブルブル震えている。

なにか呼ばれている気がするけど…気のせいかな…

殿下「───改めまして、あなたを殺人及び暴行罪、傷害罪で逮捕します。」

母「はぁーぁ、もっと遊びたかったなぁー」

父「───ごめんな、アリナ…もっと早く対応できなくて…」

アリナ「うぅ…ん…だいじょ…ぶ」

華奈「今回復するから」

みつき「はわわわわ…」

スズラン「こんな人間嫌い我が生きてきた中で初めて見たぞ」

花梨「片付けていいですか?」

父「あぁ…ありがとうございます。妻は助からなかったけど、アリナは助かってよかった…」

アリナ「お父さん!また顔を出しに来るからね!」

父「あぁ。ありがとな。」


なんか今日は疲れたけど、色々思い出せた。

それにあの人が居なくなってよかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ