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訳あり転生  作者: シエルノクス
誤解と脱出
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行動力の化身

5話 行動力の化身


私の名前はみつき!

同級生の友達二人が儀式で神隠しにあったので私も儀式で異世界に来た!(前回参照)

ここに来てまずわかったこと。それは、それぞれ得意な固有スキルというものがあること。しかもそれに加えて、得意な仕事もあること。

固有スキルの種類は、火、水、土、光、闇、花、音、従魔、

というものがあるらしい。

私も色々クエストで試してみたら、光と土と火が1番使いやすかった!

土属性は、ランクCで鉄が生成できるようになるらしいから、自作の剣とかも作れるんじゃないかな!

という訳で、ランクを上げまくってたら、何と1夜でAランクになっちゃいましたー!

なので!花梨と華奈を探しに行きます!

まずは聞き込みだよね!

みつき「受付嬢さん!この2人を見たことがありませんか?」

私は去年のクラス写真を見せた。

受付嬢「この2人、いつもうちを利用してくれる花梨さんと華奈さんですよね?」

私は嬉しくてコクコクと頷く。

受付嬢「今日予約が入っていて、2時頃に来ますよ」

みつき「ありがとうございます!」

よし!運がよくすぐ見つかったぞー!

2時

みつき「みーっけた!」

花梨「え?みつき…なんでここに?」

華奈「…なんでここに来たの」

みつき「二人を連れて帰るためだよ」

アリナ「?」

…このエルフの子は誰だろ、まぁいいや!

みつき「とりあえず帰る方法探そー」

花梨は困ったように眉をひそめて、そっとアリナに目配せした。アリナというエルフの少女は、何か事情を知っている様子で、そわそわと足元を気にしている。

花梨「でも……帰る方法、私たちも色々探したけど、いまだにわからないんだよね」

華奈「この世界の言語や通貨も大体は分かってきたけど、“帰る方法”だけは手詰まりで……」

みつきは二人の様子に少し驚きつつも、元気いっぱいに胸を叩いた。

みつき「私たち3人そろえば絶対大丈夫!それに私、Aランク冒険者になっちゃったし!」

アリナはその言葉に目を見開いた。

アリナ「Aランク!早いね!私達は今Sだよ」

みつき「土でバリアも作れるし!」

花梨は、思わずみつきを誇らしげに見つめた。

華奈「さすがだね……」

ふいに、受付嬢が三人とアリナのところへ小走りにやってきた。

受付嬢「花梨さん、華奈さん、アリナさん、それとお連れ様。ちょうど良いタイミングです。王都にいる“大賢者様”が、最近“異界の扉”について調査しているそうなんです」

花梨「“異界の扉”!?」

アリナ「運命、でしょうか……!」

受付嬢「王都に行けば、何かわかるかもしれません。ただ───」

受付嬢は少し声をひそめた。

受付嬢「どうやらその“大賢者”は、普通の人にはなかなか会ってくれないそうです。何か特別な依頼をこなさないと、謁見はできないって」

みつきはにやりと笑った。

みつき「つまり、依頼をこなせば道は開けるってことだよね?みんなでやろー!」

花梨は大きく頷き、華奈も静かに拳を握った。アリナも勇気を振り絞ったように、にっこりと笑う。

アリナ「私も協力します。王都なら、私の故郷も近いですから」

みつき「よーし、みんな!異世界脱出大作戦、始めよっ!!」

こうして、みつき、花梨、華奈、アリナは、“帰還”の希望を胸に、王都への冒険の旅へと踏み出した───!


次の日の夜。

私たちは王都まであと半分位の所まで来た!


花梨「とりあえず、今日はここまでかな!」

華奈「早く寝ろよ…お前昨日も動き回ってただろ…」

花梨「分かってるよー」

私、みつきは今、胸の高鳴りが止まらないっ!

華奈「みつきとアリナどうした?さっきから動き回ってるけど」

みつき「明日の準備体操だよっ」

アリナ「私もです!!」

ふふん!秘密のトレーニングだよ!

花梨「ご飯の準備進めるね〜」

花梨「そこで狩ったアラ豚を切ってー」

花梨「味付けて〜」

花梨「ぱぱっと焼いたら〜?」

花梨「アラ豚の生姜焼きの完成でーす!!」

美味しそう!

みつき「んー!美味しー!」

アリナ「とっても美味しいですぅー!」

華奈「認めたくないけど…美味い…」

花梨「こう見えて料理には自信があるのだよ!」

みつき、アリナ「おーっ!」

華奈「…」

1時間後

花梨「じゃあ、おやすみー」

「私は今から夜番してるから」

夜が明けるまで全部?大丈夫なのかな?



───夜。静かな森の中。

私はひとり背中を焚き火に向けて夜番をしていた。仲間たちの寝息を聞きながら、そっと辺りを見回す。

慣れない異世界の夜に、最初は少し不安もあったけれど、こうして仲間と共に旅をしていると、不思議と心強い気持ちになる。 

…あれ?あんなに嫌いだったはずの華奈まで気にかけてる?

……私が成長できたってことかな。

ふと、遠くの茂みから小さな物音が聞こえた。花梨はすぐに緊張し、剣の柄に手をかける。でも、物音の正体が自分たちの旅を脅かすものなのか、それともただの小動物なのか、わからない。

そっと吐息をつき、焚き火の光が届かないほうへ少しだけ歩み寄る。すると、夜露に濡れた草の向こうから、まんまるな瞳を光らせた小動物が出てきた。

花梨「ん……? 君、寝ぼけたの?」

私は小声でそう言いながら、小動物に優しく手を差し出した。 小動物は警戒しながらも私の手に鼻先を寄せ、くんくんと匂いを嗅いでから、ぴょこんとその掌の上に座り込んだ。

花梨「……ふふ。大丈夫、もう怖くないよ」

私がそっと頭を撫でると、小動物は気持ちよさそうに目を閉じた。

その様子にほっとした花梨は、焚き火のそばに戻り、膝の上で小動物を抱えながら、仲間たちが安心して眠れるよう見守り続けた。

やがて夜が明け、朝の光が差し込む。

みつきが寝ぼけ眼で顔を上げる。

「……花梨、おはよー。夜番ありがとう」

華奈もゆっくりと体を起こし、

「……何、その子?」

と花梨の膝の上の小動物に目を丸くした。

アリナはやさしく微笑んで、

アリナ「朝ごはん、何にしましょうか」

と言いながら、みんなのもとに温かい雰囲気が戻る。

花梨はみんなに新しい仲間を紹介しながら、

「さあ、王都までもう少し。今日も頑張ろう!」

とさわやかに声をかけた。

こうして、みんなでまた一歩ずつ、王都への道を進み始めた。

私達の旅はまだまだ続く。これからもずっと。

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