名探偵みつき
今回は同級生、みつきの視点です。
4話 名探偵みつき
私の名前はみつき。巷で有名な、
小学六年生の名探偵だ!
親友の名前は花梨で、家が近く、
よく遊んでいたよ。
でも最近よく花梨が怪我をしている。
不思議に思い、花梨が
いつも呼び出されている校舎裏に行ったら、なんと花梨が華奈に殴られていた。
そのまま止めに入ったが花梨が、
絶対に言わないで、と言うので私は言うのを辞めた。
証拠を集めるために花梨の後を追いかけたら華奈に色々な悪口を言われたり殴られたりしているらしく、原因は不明。
そんなある日学校へ行ったら、華奈と花梨が、9時頃に出かけてから失踪したらしく、一向に見つからないらしい。
───まさか、また呼び出されて、
今度は殺されたんじゃ……
流石にない……よね……
私は、何故2人して失踪したのかを、
調査することにした。
お父さんが警察なので、お父さんと協力して、近隣住民に事件の話を聞いた。
近隣住民によると、午後10時頃、教室が一時的に光ったそう。
もう先生達は帰ってる時間帯だったので、華奈か花梨が何かを企んでいた可能性がある。
分かったのはそれだけ。
9時頃に出かけて失踪…また呼び出されたのかと思ったけど、華奈の方は忘れ物を取りにいってくると言い残したらしい。
じゃあ何故学校で消えた?何故一時的に教室が光った?もしかして、神隠しとか?
ちゃんと調べてこの事件を終わらせなきゃ。
私は次の日、誰よりも早く学校にやって来た。朝の空気は冷たく、校庭を歩くと足元がザクッと音を立てる。失踪した二人の机、何か手がかりが残っていないかと、みんなが集まる前に調べ始めた。
まずは教室の隅、華奈の机の上をじっくり見てみる。消しゴムのカス、雑に閉じる教科書、でも特に変わったものはない。次に、花梨の机を開けると、
机の裏には細い字で「たすけて」と書かれている。
(花梨…やっぱりただのいじめじゃなかったんだ……)
その瞬間、何か紙が落ちた。拾ってみると、古い紙に、神様神様、私を異世界に連れて行ってくださいと書いてある。
(これが「神隠し」の正体……?)
(花梨と華奈は、もしかしたらほんとうに異世界に行った?)
考えれば考えるほど、現実離れした真実が浮かび上がってくる。でも、私の心は決まっていた。
「親友を、必ず取り戻す!」
その晩、私は同じ時刻、同じ教室、同じ儀式を真似てみることにした。呪文を読み、静かに目を閉じる。
──すると、空気がピリリとしびれ、教室が淡く光りだした。
気づけば私は、見知らぬ広場の真ん中に立っていた。頭上には月、周りにはカラフルな服の人々───
「ここが……異世界?」
どこかで、泣き声と、静かな声が重なる。
「花梨!華奈!」
私はふたりを探しに走り出した。
絶対君たちを連れて帰るから。
名探偵みつきの名にかけて!