気分転換
気分転換
「───街に出てきたのはいいけど…どうするの?」「…あ!あそこのショップ…気になる!」
私の目に止まったのは、周りのレンガの建物と見合わない素朴で大きな建物。
「いらっしゃいませ」
入ってみると、真ん中の椅子に三つ編みの女の子が座っていて、黄色の澄んだ瞳でこちらを見てくる。周りには無数の古い本棚があって、さっき外で見たよりも遥かに広い。
「ここはどういう店なんですか?」
女の子にそう聞くと、
「ここは魔導書や古書などを置いています。ずっと古書や魔導書を読むのが私の趣味なので。」
と教えてくれた。
私が古書を見ていると、茶色や灰色の本が並べられてる中、ひときわ目立つ赤色の本があった。
手に取り埃を払うと、本のタイトルが見えた。
『異世界人』
そのシンプルなタイトルに私は考えた。
「他にも私たちのように異世界人がいるってこと…!?」
私はすぐに本を開いた。
『異世界人とは違う世界のとある国から来る人のことだ。
発動条件は“意図した者”がいること。
異世界人がとある儀式をやるとこの世界への扉が開き、この世界に来れる。
その方法は、神様神様、異世界に連れていって、と言うだけ。
こちら側にいる人間や異世界人がこの世界でやってもあちら側の世界には行けない。』
ぱらぱらとページをめくる。
『現在は異世界を研究している大賢者にあちらの世界に行く方法を調べてもらっている。』
私はすっと本を戻した。
異世界についてしっかり調べてるのか…
「この本買っていいですか。」
私がそう言うと、三つ編みの子は快く了承してくれた。お金を支払い、本を受け取ると、
「あなた…ここら辺では珍しい髪色ですね。どこ出身ですか?」
そう三つ編みの子が不思議そうな目で言ってきた。
「実は…異世界から来まして…」
「そうなんですか。だからこの本を借りたんですね。」
「じゃあ…また来ます!ありがとうございました!」
私はロニと一緒に店を出た。
「花梨。いい本見つかってよかったね」
「うん!」
「あ!花梨とロニ居た!」
みつきが手を振ってくる。
「じゃあいこ!」
「みんなごめん!最近…なんだか変な夢を見るの…」
「どんな夢?」
「なんかね…現実世界で私が昏睡状態なの。
それに、お父さんとお母さんがたくさん喧嘩しててね…
〇殺未遂らしい…」
「じっ…!…結構壮大な内容じゃな…」
するとマリンが、
「うーん…でもなんで〇殺で昏睡状態とかになるの?骨折とかでもさすがに違うし…」
と言った。
そしてみつきが気づいたように、
「…睡眠薬の〇殺未遂とか?」
「すいみんやく?」異世界組が首を傾げる。
「睡眠薬っていうのは…なんか眠れない人とかが飲む薬なんだけど…それを沢山飲みすぎると昏睡状態になるんだ」
「うん!大体わかったかも!」ロニが威勢よく返事をする。
「…この世界からまた現実に戻ったらどうなるんだろう…わたしは目を覚ますのかな…」
「……気にしすぎは良くないですよ!なんかスイーツ食べに行きましょう!」
「そうだね!」
・ ・ ・ ・
夜。みんなが寝た後。わたしは心を落ち着かせるために外に出た。
夜風が頬に当たる。
華奈は─────私の事をどう思ってるんだろう…
最近は色々起きすぎて…頭が痛い。
かといって真相を求めないとモヤモヤするし…
「どうした。最近元気ないけど」
いつの間にか華奈が隣にいた。今だ。今言わなきゃタイミングがない…!
「華奈って私のこと…どう…思ってるの?」
しばらくの沈黙の後、華奈は口を開いた。
「…お父さんを奪ったやつの子供。憎たらしい」
あぁ…やっぱそんな感じ…期待してしまったのが馬鹿らしい。「でも」
…え?なんだろう…
「仲間だとは思ってる」
…!…仲間…か…
「そっちはどうなの?」
私もホントの事を言わなくちゃ。
「虐めてくるけど…ほんとは仲良くしたいとは思ってる…」
「…………あっそ。じゃあ私戻るから」
華奈は突き放すように家の中へ戻って行った。
けど私は見てしまった。華奈の頬が少し赤くなっている事に。
もしかして……これがツンデレっていうやつ!?
よかった…嫌われてなくて…
これからも仲良くできるように頑張ろう…




