そしてようやく
そしてようやく
「ここがエルドラン…!」
セリオス帝国の街、エルドランの入口についた。
するとアリナが、「よく分かんないけど懐かしい…」と呟いた。マリンが、「じゃ、アリナのお母さんとお父さんを探そう!」と威勢よくいい、私たちは声を揃えて「おー!」と言った。
「さて…どこから始めるのじゃ?エルドランを手分けしてさがしても3日以上は───」
「…あれじゃない?」
みつきが言ったのは、とても綺麗な金髪ロングで、色白な女のエルフだ。
「確かににてる…」私と華奈とロニがそう言うと、アリナがすぐ駆け寄っていった。
「あ…あの!」
「はい、なん──────」
するとその女性は硬直してしまった。
「…あなたは…アリナ…?」
「…!はい!そうだよ…!お母さん…!」アリナが嬉しそうに返事をする。
「…ッ…アリナ…ッ!会いたかった…ごめんね…ごめんね…私が…私が守れなかったから…ッ」
「いいの…お母さん。それにこうしていい仲間とも出会えた。お母さんともまた会えた!誘拐犯も捕まったし!」泣きながらアリナが言うと、アリナのお母さんが泣き出してしまった。
しばらく2人はその場で泣きじゃくった後、アリナのお母さんがアリナたちの家まで連れていってくれることになった。
「みてみて!青ジャケが売ってる!あそこにはトラビタも!」
「美味しそうじゃな…!」「ねー!」
「ここはシスオという郷土料理があるんですよ。昔夫とアリナと一緒に何回も食べたんです。」
そんな話をしているとあっという間に家に着いた。
「いらっしゃいませ〜」
そこにはレトロチックなカフェとコーヒーの香りが広がった。
「マリア、おかえ…って…アリナ!!?」
アリナのお父さんらしき人が目を見開く。
「ただいま。お父さん。」
・ ・ ・
「…なるほど…そんな事が…でもアリナが無事でよかったよ…」
「アリナ。今日は家に泊まっていくのよね?今から料理するから、みんなで街を回っていていいわよ。」
アリナの家を出た後。
なんか…心臓がバクバクする…
頭も痛い…めまいもする…
「…ねぇ花梨?顔色悪いけどどうしたの?」
華奈が聞いてくる。
華奈も心配してくるほど顔色が悪いの?
その瞬間、グラッと視界が歪み、私はその場に倒れ込んだ。
「あの子の状態が少しだけ良くなったそうよ…」
またこれ?!
この間みた家の光景だ。なんでなんだろう…
しかも昏睡状態とか〇殺未遂とか言ってたし…
そんなことしてないのに…
「そうか…いつも…ごめんな…お前にも花梨にも迷惑かけちまって…」
「…ご飯…冷めるから早く食べちゃいましょうか」
そこでプツっと目の前が暗くなったと思ったら、今度は病室が映し出された。
モニターが一定のリズムで電子音を刻んでいる。
そのベットに眠っているのは…私だった。
「あれ…なんでだろう…」
近づいてみると、ふっふっと小さく呼吸をしている。顔は青白く、とてもつらそうだ。
…そもそもなんで自殺未遂でここまでなるの?
普通骨折とかで済むんじゃ…まさか別の方法?
…前になんかのネット記事で見たんだけど、睡眠薬のODとか?
いや…どこから薬を仕入れて…
あっネット通販か。うちは自由にネット通販が使えるから…それで私が頼んだのかも…
すると寝ているはずの私が脳内に語りかけてきた。
「そうだよ。わたしはたくさんのお薬をのんでねているの」
喋り方がまるで別人だ。なんでこんなことが起きてるのか分からない。
「これは夢なの…そっちの世界で楽しんできてね」
ゆ……め…?私は酷く驚いてしまった。
「みんな…みんな…居ないんだから…」
みんな…いない…
そんな所で目を覚ました。
いや、もう目を覚ましたかどうかも分からない。
「花梨…大丈夫?最近体調が悪そうだけど。」
気づくと私はアリナの部屋で寝ていた。
ロニが恐る恐る顔を覗いてくる。
「…大丈夫!」
「ならいいんだけど…どうする?僕、おかゆくらいなら作れるよ!」
「いや!風邪じゃないから大丈夫だよ!」
「あはは!そっか!」
ロニが無邪気に笑う。…これも全部夢かもしれない……
そう考えるとなぜか胸が痛くなる。
もうこんなこと考えたくない!
「よーし!ロニ!気分転換に買い物いこ!」




