花梨、死にかける
花梨、死にかける
フォルゲンの次に行くところエルドラン。
エルドランまではあと少しだ。エルドランは港の方だから魚がそこら辺の街より豊富らしい。
「…?なんだろう…なにか嫌な予感が…」
マリンがそう呟くと森の奥から謎の気配がする。
何事かと思い、恐る恐る近づくと、そこには角を生やしたデビルが居た。
デビルとは、女の姿に化けた悪魔を指す言葉で、誘惑の魔法を使って攻撃してくる。
「うふふふふ…いい奴隷が見つかったわ。今回はどのくらい私を楽しませてくれるのかしら?」
「潮流一閃!」1番動揺しているはずのアリナがすぐに攻撃をしてくれた。
するとデビルはすぐバリアを仕掛けてきた。
「あ!安心して!一応私にも弱点はあるから!」
「教えて来るなんて中々の悪女じゃな…」スズランが顔をしかめる。
マリンが攻撃の準備をしていると、後ろからデビルが攻撃を仕掛けようとしている。
「マリン!よけ───」
グサリとなにかがお腹に刺さる。
「!!!???」
「ちょっ…どう…よ…!」「か…さん…!」「かり…!」「か…ん!」「だ…か!おうきゅ…し…を!」
だんだんと意識が遠のく。そんな中なぜか鮮明に声が聞こえた。
「ふふふ…引っかかった!これから楽しませてね!花梨。」
───次に目覚めると、そこは牢獄のような場所だった。なにか嫌な感覚がして、手を見てみると、鎖で繋がれていた。
どうしよう!なにか解決策は…!
そうだ。魔法だ。「ロックゴーレム!」
…あれ…?できない…っ…「手こずってるみたいね。」
するとさっきのデビルが現れた。
「私はシャルル。この牢屋には魔法の効果が消える結界があるのよ。後でおもしろいものを見せてあげるから、楽しみにしててね。ふふふ…」
そしてそのシャルルというデビルは消えていき、鎖で繋がれたまま数時間が過ぎた。
面白いものとはなんだろう…嫌な予感がする。
すると、急に後ろが明るくなって、なぜか壁が全て消えた。
「さあ!みなさんお待ちかね!奴隷ザオークションの開催です!今回の奴隷は〜っ?
じゃん!S級冒険者パーティーの皆さんでーす!いやぁ…私強すぎて…ぶっ倒しちゃった!」
すると、ロニ、マリン、華奈、アリナ、みつき、スズランが横たわっていた。
「では!オークションスタート〜!」
「はいはいはーい!1500G!」「じゃあ私は2000!」
「やめ…て…!」私の悲痛な叫びは観客の元には届かず、みんなが悪魔に渡されそうになった時、床が魔法陣のように光だし、目の前に神々しい女の人が現れた。
「はじめまして。花梨さん。」
「あなたの活動、ずーっと天から見てましたよ。
あなたは過酷な環境でずっと頑張ってきました。その褒美にあなたに神の加護を授けましょう。」
「神の…加護だと!?」「神の加護?!」
するとシャルルがこちらへ来て、
「女神様!なぜこんな虫けらに神の加護を与えるのです!?わたしだって…私だって頑張ってきたのに!!兵士に囲まれて!気持ち悪い人間なんか捕まえて!」と言った。
女神様は冷たい目で、
「虫ケラはお前らだ。散々神を侮辱し、反抗し、神の教えに背いた!
それに…お前らは人間とも仲良く出来る立場だったのに…」
「待ってください!今までのこと謝るから!ねぇ!ごめん!ごめんなさ───」
「黙れ虫ケラ以下。」華奈だ。いつの間にか隣にはみんながいて、目を見合わせた。
「潮流一閃!」
「火炎必中!」
「サンクチュリアベール!」
「ビリアバーダ!」
「聖界神原!」
「毒爆空弾!」
「マリアビネール!」
「ぐあ…あああ…あ!」
私たちはバリアを張って魔法の発動を待つと、静かな爆発音と共に地下牢は吹き飛んだ。
そうしてその場にいるデビルと悪魔を全滅させる事ができた。
するとまた意識が遠のき、今度は尋常じゃないくらい心臓に痛みが走った。そうだ。私、お腹を刺されていたんだ。
「花梨!」
あれ?私空飛んでる!
あとなんか私がそこにいる!
横にはみんながいて、必死に私を揺さぶっている。
すーっと目の前が暗くなる。
そこでも私は空を飛んでいて、現実の家だった。
「どうしてあなたはいつもいつも帰りが遅いのよッ!!!」
父親モドキとお母さんが口論をしている。
「仕方ないだろうが!俺の愛しい花梨が居ないんだから!この空いた心をどう埋めろってんだ!」
「ほんっと気色悪いわね!花梨は関係ないじゃない!」
「ぜんぶ…あなたの…いや…私たちのせいよ…」
…?
「…花梨はもう█████のに…」
…今なんて言ったの?あまり聞こえなかった…。ねぇお母さん?
「あの子は〇殺未遂して昏睡状態なのに…」
…自〇?
私そんなことしたっけ…?
そこで夢は終わった。
「花梨…!心配したんだけど!」
華奈が焦った表情で言う。
「ごめ…」
「花梨!」ロニとみつきが抱きついてくる。
「ぞ…ゾンビ化とかじゃないですよね…?!」とオロオロしていて、マリンとスズランはほっとした表情を浮かべている。
それにしても…自〇?私は……
そんな事を知っても、良からぬことが起きそうなので、そっとしておこう。
「じゃ!行こっか!」




