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 エミと第二王子の間に子どもが生まれた、男子だ。


 エミが子どもを産む前に生まれた第一王子の子も男子だ。その時の国を挙げた盛り上がりをエミは忘れられなかった。自分も子どもを、男子を産んだのだからあれくらい盛り上がるに違いないと思っていた。


 しかし、エミが思っていたような盛り上がりにはならなかった。


 それもそうである。公務や外交を積極的に行なっている第一王子と第一王子妃とでは祝う人数がそもそも違うし国民の支持も違う。なのだがエミは納得できなかった。


 一番の味方である王妃にそのことを伝えたが、王妃はよくわからなかった。


「私のお友達からはみんなお祝いが来てたわよ?」


 王妃の知人からはみんなお祝いが来ていたので王妃は何も気にしていなかった。


 エミは違かった。自分もよく知らない人たちからも、この国中から祝って欲しかったのだ。


 エミはこの時、最大の後ろ盾である王妃のことを『小物』だと思った。


 エミの考えていることが小物(・・)小物よくわからない、更なる高みがわからない、『小物』だと思ったのだ。

 

 エミは自分がこの王妃よりさらに上にいくのだとなんの確証もなくそう考えた。


 上にいくためにはどうすればいいか、エミは第二王子が王になればいいと考えるようになった。王位継承権が上の第一王子がいるのにどうしてそんな考えになるのか。それはエミのお友達が『第二王子の方が素晴らしい』『第二王子の方が向いている』と何が、とは言われなかったがそう言われ続けてエミはすっかりその気になっていた。


 エミはその考えを王妃や第二王子にも話していた。二人とも冗談だろうと、夢物語だろうと思ってはいたものの二人ともそうなればいいなと頭の片隅で考えていたためか力強い否定をしなかった。これもエミの考えが加速する原因となっていた。


 エミはお友達を招いたお茶会などで積極的に第二王子を王にしたいと言うことを話した。まともに取り合う人はいなかったが『エミが第二王子を王にしたい』と言っていたことを覚えていた人間はいた。


 そんななか、国王が亡くなった。





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