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勢いで書いた感じがあります。
楽しんでいただけら幸いです。
エミは野心家である。だからかどうかはわからないが、家の人間がやっているような図書に関するような仕事はしたくなかった。だって地味で役に立たない仕事だとエミは思っていたから。だから、もっと華やかで大きなことをしたかった。誰もが羨み、憧れるようなことがしたかった。
そんなエミに思いついたことは王妃になることだった。なぜなら王妃は国中の人々に羨望の眼差しを向けられるからだ。エミは一度王族のパレードで王妃を見てからその輝かしさが頭から離れることがなかった。「私も王妃になりたい」そう思うのに時間はかからなかった。
そしてエミはどうすればいいかを考えた。ひらめいたのは王子と結婚することだった。
しかし、エミより5歳上の第一王子はすでに大学を卒業していた。でも、2歳上の第二王子はまだ大学に在学していた。エミは結婚相手を第二王子に変えた。エミは柔軟な対応をしたと自身を称賛した。その第二王子と同じ大学にはいるためにエミは勉強を頑張った。その様子は真面目に勉強しているようにしか見えなかったので家族はエミが勉強しているように見えたので安心していた。
第二王子と同じ大学に入ることができたエミは第二王子の周囲に常にいるようになった。エミとしては、目に入らなければ意味がないと言う気持ちだった。それを見ていた第二王子の友人はなんかやたら王子の周囲をうろうろしている女子生徒がいるといった認識だった。いつ見ても第二王子のそばにいたので友人は思わず聞いた。
「うっとうしくないのか」
すると第二王子は『そんなことはない』と言い、なんでそんなことを聞くのかわからないという顔をしていた。
そう、第二王子はなにを言っても『すごい』『さすが』『知らなかったです』と褒めちぎるエミを悪いように思ってはいなかった。
常に優秀な兄である第一王子と比べられることが多かった第二王子は第三者であるエミから手放しで誉められるこがとても嬉しかったのである。誉めているエミがどんな人物であるかはこの時はあまり関係がなかった。第二王子の周りにはエミほどに積極的に、それでいて好意的に接してくれる女の子がいなかったのも原因の一つなのかもしれない。
ただ、友人は質問をして『気にしていないならいいか』と傍観を決め込むことにした。友人は第二王子の周囲には育ちのよい良家の子女がたくさんいたことを知っていた。エミという品性が少なめな女子をどうとも思わないだろうと考えていた。
だが、第二王子はそう考えていはいなかった。エミほど可愛い、いい子はいないと思っていた。まさに恋は盲目である。傍観しようと思っていた友人のことでさえ、エミを狙っているのかもしれないと考えるようになっていた。
エミを狙っているかもしれない、と考えて少し距離をとるようになっていた。友人たちは距離を取られていることに気が付いてはいたが、それは勉強等が忙しいからだと思っていた。まさかエミを取られないようにするためだとは思っていなかったのである。
そうしてい周囲から適度な距離をとって2人の世界を作り出した第二王子は両親に宣言した。『エミと結婚したい』と。
両親である国王と王妃は驚いた。報告されていて仲良くしている娘がいるとは知っていた。でも、まさかほんとになんの後ろ盾もない娘と結婚したいと言うとは思ってなかったのである。
「エミと結婚できなければ王籍から抜ける!」
当時の法律でもきちんと手続きをすれば王家から籍を抜くことはできる。周囲はそこまでの覚悟があるのかと感銘したし、第二王子は王位の継承権を放棄するつもりなのだと解釈をした。だが、エミはそう思わなかった。なぜなら第一王子を諦めてまで第二王子を選んだのは必ず王家に入りたかったからである。
エミは「私のためにあなたがそこまでする必要はないわ!私が身を引けばいいだけなんだから」と、一芝居打った。この芝居に心打たれたのが王妃だった。
王妃は商家の出だったこともあり周囲から身分違いだと言われていた。このことから今現在身分違いだと言われている2人には過去の自分を重ねた。
「この二人を引き裂いてはいけないわ!」
そんな王妃の全面的な支援を経て二人は結婚した。
めでたしめでたし。とここで終わらなかった。
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