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ふたごのミトン

作者: 紫 李鳥

 


 すこーしむかし、すこーしむかし。あるところに、ふたごのミトン、テブちゃんと、クロちゃんがいました。


 ふたごなので見た目はそっくりです。でも、性格はちょっと違います。


 左のテブちゃんはおとなしめ、右のクロちゃんは元気めです。




 / ̄\  / ̄\

 ∽∽∽  ∽∽∽

 ∽∽∽⊃⊂∽∽∽

 ШШШ   ШШШ




「ちょっと、テブ?」


「ぁ、いま、デブって聞こえた」


「ちっとも動かないんだもん、私よりはデブかもよ」


「……っ、ょぅ、ぃぅゎ」


「ねぇ、テブ、少しは動いてよ。いつも私ばっか動いてんじゃん。不公平でしょ?」


「……けど、動かないのは、私の意思じゃないもん。右利きのミーコちゃんのせいでしょ?」


「……か。確かにそうだよね。――あっ! グッドアイデアがひらめいた。チェンジすればいいんだ」




「ちょっと、テブ、どいてよ」


「運動不足で動けない」


「ったく。ほら、私の手を握って。ヨッコラショッと!」




  / ̄\ / ̄\

  ∽∽∽ ∽∽∽

 ⊂∽∽∽ ∽∽∽⊃

  ШШШ  ШШШ




『……あれぇ、なんかちがう。……けど、右においたのが右手で、左においたのが左手だから、これでいーんだ』




『わぁ~い! 雪がっせんだー!』



「わっ、冷たっ! もー。最初からハードだわ」


「ひゃー! 冷た。テブ、私も条件は同じよ」


「あ~、ミーコちゃんが雪を投げるたび、めまいがする」


「私はずーっと、それにたえてきたのよ」


「あ~、頭がクラクラしてきた。……クロ、助けてぇ」


「ガンバっ! もう少しでお昼だから、私たちを脱ぐわ」


「……ぁぁぁ~、だめ。倒れそう……」


 コテッ!


「テブーーーっ!」




 / ̄\  ∩

 ∽∽∽ ESS\

⊂∽∽∽ ESS│∂

 ШШШ  ESS/




「テブ、大丈夫? 目が覚めた?」


「……ここは?」


「いつもの机の上よ。ごめんね、私が余計な提案しちゃったから」


「ううん。……もう、大丈夫だよ」


「よかった。ね、元に戻ろう。ミーコちゃんがお昼ごはん終える前に」


「うん。……ありがとう」


「起きれる?」


「うん。起きれる」


「ほら、私の手につかまって。せーの!」




 / ̄\  / ̄\

 ∽∽∽  ∽∽∽

 ∽∽∽⊃⊂∽∽∽

 ШШШ   ШШШ




『……ん? さっきとちょっとちがうけど、左においたのが左手で、右においたのが右手だから、これでいいんだ。なにしてあそぼかな』




『あっ、イタっ!』


「た、大変っ! ミーコちゃんが手をケガしたみたい」


「アッ! ミーコちゃんの手から血が出てる。あ、クロにもくっついてる」


「あ、ホントだ」


「アッ! クロの毛糸がほどけてる」


「……ぁっ……ぅぁ~ぁ……」


「早く止めないと、どんどんほどけちゃう。どうしょう……クロが死んじゃう。神様ーーーっ、クロを助けてーーーーーっ!」




 / ̄\  / ̄\

 ∽∽∽  ∽∽∽

 ∽∽∽⊃⊂∽∽∽

 ШШШ   ШЩ

        ξ

         ζ

          ゝ

          



『手の傷が治ってよかったわね?』


『うん』


『はい、ミトン。ほどけたとこを編み直して、洗っておいたわよ。ミーコちゃんのお気に入りのミトンだもんね』


『うん。ママ、ありがとう』




 / ̄\  / ̄\

 *∽∽  ∽∽*

 ∽∽∽⊃⊂∽∽∽

 ШШШ   ШШШ




「ね、クロ?」


「なーに? テブ」


「ミーコちゃんのママに編み直してもらって、前よりかわいくなったんじゃない?」


「あら、そうかしら? テブもかわいいわよ。おほほ……」




 おわり

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