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短めです、すみません!
次回はまた優奈ちゃんとの絡みにもどります。
「……よし、帰ろう。」
鈴木優奈が立ち去った後、そう強く意気込んだはいいものの、俺はとある重要な事に気がついてしまった。
「……分からん、帰り道が」
そう。長年、学校に来ていなかった俺にとって、知らない場所に連れて来られた今、元の場所に自力で帰ることは不可能だった。
確か、俺は高校1年の入学式以降、顔を出しておらず、今は1年経った4月だから……本来ならもう俺は高校2年生、ということになる。
おもしれーや。
やばいやばい、帰れないでござるどうしよどうしよ、といった感じで、一人で慌てふためいていたところ、そこへ一人の女性が通りかかった。
ちょうど良い。
この人に聞けば、帰り道が分かるかもしれない。
「あの―――」
「あなた、もしかして田中海人君?」
「へ」
なぜ見ず知らずのお姉ちゃんが、僕のお名前を知ってるんでちゅかね……
「えっと、はい。確かに田中ですが」
「やっぱり!良かった~妹さんから連絡が来ていたのよ?無事に着いたら連絡してくれって」
……あのやろー。余計なことを。
「あ、言い忘れていたけど、私はあなたの担任を任された佐藤よ。よろしく~」
なるほど、全てを理解した。
…それと同時に、全てを悟った。
もう俺は、この牢獄から抜け出すことは出来ないのだと。
「ごめんね~、教室が分からなかったんでしょ?さ、こっちだから着いてきて!」
「…うっす」
もうどこへでも連れて行ってくれ。俺は逃げも隠れもしないから。
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すごくどうでも良いんですが、主人公の名前が本文で出てきたのは、今回が初です笑