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まだ書いてて楽しい時期です
「君、だいじょうぶ?」
「……」
この光景、端から見た人はどう思うだろうか。
倒れそうになった男を抱きかかえるように受け止めた女の子。
うーん…実に惜しい。一件いい雰囲気に見えるのだが、逆なんだよなぁ…。
とは言え、この子から助けてもらったことに変わりはない。ならば最低限の意思表示とお礼はするべきであろう。
「大丈夫です。それと、助けてくださり、ありがとうございます。」
では。と一言伝え、頭を下げてから立ち去ろうとした。しかし現実はそこまで甘くないらしい。
「あっ、ちょっと待って!」
「……え」
まだ何かあるのだろうか。もしかしたら、助けてやったのにお礼もなしかと文句を言いたいのかもしれない。それだったら申し訳ないが、あいにく僕、お金持ってないんで勘弁して下さい。
しかし、そんな俺の苦悩は無駄に終わった。
「…やっぱり、顔色悪い。全然大丈夫じゃなさそうだけど?」
「……ああ、そういうこと。」
なるほど、すべてを理解した。つまりはこの女、かなりのお人好しだな?長年生きていると、こういう人物は一定数いることが分かった。
確かに有難いよ。だがそれだけ。ありがた迷惑というやつだ。
望まれていない好意は悪意と一緒だということを理解していただきたい。
「ご心配どうも。けど本当に大丈夫だから。それじゃ、今度こそ―――」
「そうだ!ついてきて!」
今度こそさよなら、をしようと思ったのも束の間。
今度は何を思いついたのやら、彼女は俺の話を強引に遮り、腕をグイッと引っ張った。
どこかへ行くらしい。
「……おい、どこへ連れて行く気だ」
「ん?どこだと思う~?にししっ」
…このやろう。
しかし本当にどこへ連れて行く気なのだろうか。俺はしばし考えた。
この女は言っていた。俺の顔色が悪い、と。つまり、必然的に俺の体調が良くなるところに行くことになる。
となると……保健室か?
まてよ…保健室はまずくないか?
いやまて、保健室はまずい。
いや冷静に考えて保健室はまずいことに今気がついた。
今から帰る予定だった俺が保健室に行ったら、確実に担任に連絡が行って帰れなくなる!(そもそも担任がいるのか分からんが)
待ってくれ、それだけはいやだ!
やだやだやだやだやだ!!
「着いたよ~!」
「…ん?」
どうやら、俺が脳内で駄々をこねている内に、目的地に到着したらしい。
幸いな事に、そこは保健室ではなかったのだが―――
「……自販機?」
やっぱなんか、リアルってよく分かんねぇんだよなぁ…
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