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やったれ魔法少女  作者: 千園参
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おぉそれそれぇ!

改めましてこんにちは。今回辺りが物語の大きな節目になるかなと個人的に思っております。今回も楽しんで頂けると幸いです。それではよろしくお願いします!

「せいやぁあ!!」


 俺のパンチが怪獣に炸裂する。次の瞬間、怪獣が光線を放とうとしている。そこをシューティングイエローが的確に狙い撃ち、敵の反撃を遮る。その隙に俺とドラゴニックブルーの追撃で怪獣を怯ませ、一気に技を繰り出す。


「ハッピーストライク!」


「フルバースト!」


「ドラゴニックハンマー!」


 今回も見事な連携で怪獣を撃破した。俺たちの魔法少女もだいぶ板に付いてきた。時が経つのはあっという間であった。もうすぐ期末テストがあり、それが終われば夏休みと気がつけば流れるように夏へ突入しようとしていた。春に魔法少女に変身し、そこから約4ヶ月経っていることに驚きを感じずにはいられなかった。

 そんなことは置いておいて―――


「暑〜」


 俺は夏の暑さに早くもダウンしそうになっていた。


「コラコラ!しっかりしてっ!」


 そう言うのは川端だった。こんなに世の中は暑いのに顔色一つ変えず天使だなんて、本当に天使なんだな。


「川端か。おはよ」


「おはよう!まだ1日は始まったばかりなんだから頑張ろっ!ねっ!」


「お、おう」


 返しはこんな感じになってしまったが、朝からマジ天使な川端を見れただけでテンションはフルマックスなのであった。張り切って学校に到着するとやはりもうすぐ期末テストということもあり、校内ではテストに向けての話題が多くなっていた。


「藤崎〜おっはよ〜」


 相田が登校してきた。


「おー」


「いや〜もうすぐテストだね〜」


「今回はちゃんと勉強したのか?」


「そんなのするわけないじゃーん!僕がすると思った〜?」


「お前この間の補習で懲りたんじゃないのか」


「だって、勉強嫌いなんだからしょうがないだろ〜」


 こりゃダメだ。シンプルにそう思った。相田に続いて築村と木山が登校してきた。


「あ、藤崎」


 木山が言う。


「あ、溱〜!おはよ〜!!」


 どうやら木山が築村にゾッコンという噂は本当だったらしい。それにしても俺の扱いの雑さときたらどうなのだろうか。しかし、それでもあの一件以来、木山の俺への態度も改められたようで、築村には感謝しかない。それよりも築村の復讐というものが少し気になるところである。一体誰に復讐しようというのだろうか。普段から謎の多い奴だとは思っていたが、より謎が増したような気がした。


 授業中―――最近の授業はテストに向けての復習がメインなので、そこそこ勉強ができる俺としては少々退屈なのである。そのため俺は授業中寝てしまっていることが多くなった。


「おいおい、藤崎ぃ!お前テスト余裕だからって寝るのは無しだろぉ?ちゃんと受けてくださいよぉ」


 物理を担当科目にしている担任に起こされはするが、とにかく担任も緩いので、あまり怒られない。


 そんなこんなで放課後になる時間もあっという間だった。

 放課後はいつものように川端と帰る。その間も真面目な川端はテストのことなどを考えているようで道中の話も最近はそんな話が多くなっている。

 川端と別れたら、いつものように怪獣が現れる。


「うし!いくか!」


 俺は急いで向かう。そこにはいつもとは違う。怪獣ではなく、怪人というわけでもない敵が待ち構えていた。


「おぉ!待ってたぜぇ魔法少女ぉ!」


 コウモリのような姿をした男がフレンドリーに話しかけてきた。


「アンタ何もんだ?」


「俺かぁ?俺はそうだなぁコウモリ男ってところかぁ?」


「そんな緩い感じで大丈夫なのか?」


 今までとは違う敵の感触に少し不安になった。


「おぉ、大丈夫ぅ大丈夫ぅ!お前ら倒せば大丈夫ぅ!だから、早く変身してくんねぇかなぁ?」


「望み通り倒してやるよ!変身!」


 俺はブラスターピンクに変身した。


「おぉそれそれぇ!」


「いくぞ!」


 俺はパンチやキックの連続攻撃をコウモリ男に繰り出した。しかし、コウモリ男は攻撃を華麗に躱していく。


「おいおいぃ!もっと本気出せよぉ!そんなもんじゃないだろぉ!」


「うるせぇよ!」


 コウモリ男は次々と攻撃を避けていく。


「ったくよぉ、他のやつ来ないのぉ?お前だけじゃおじさん物足りないよぉ!それに退屈だなぁ」


 コウモリ男は俺との戦いに飽きてきたらしい。


「ふざけやがって!これなら、どうだ!ハッピーストライク!!」


 俺は渾身の必殺キックを放った―――が、しかし、コウモリ男はいとも簡単に俺の必殺キックをはたき落とした。


「あらよっとぉ!」


「うわぁぁぁ!」


「俺の最高傑作の怪人ちゃんを倒したから、なかなか強いのかと思ったが、こりゃ当てが外れたなぁ」


 コウモリ男が立ち去ろうとした時、コウモリ男を狙ったエネルギー弾が飛んできた。シューティングイエローだ。

 どうやら、仲間たちが駆けつけてくれたようだ。


「逃がさないよ〜!」


「お前も俺の力にしてやる」


「溱かっこいい///」


 3人が一斉にコウモリ男を攻撃した。しかし、3人の同時攻撃ですらも、難なく躱しきる。


「おいおい、4人揃ってこんな感じぃ?ちょっとまずいだろぉ。まぁいいやぁ。今日はお前らを本気で倒しに来た訳じゃねぇからさぁ。ここらで帰るわぁ」


「逃すものか〜!」


 シューティングイエローがエネルギー弾を連射したが、コウモリ男は自ら発した霧の中に消えていった。


「逃げられたか」


「俺たちの手の内を全て知っているようだった」


 コウモリ男の話し方に誰かを思い出しそうであったが、思い出せそうで思い出せなかった。なぜそのように感じたのかすらも全くわからない。


 このコウモリ男との出会いがこの先大きな意味を持つことをこの時の俺たちはまだ知らない。

内容的には特に大切なものではないものなのですが、これが一つの節目になったかなと思います。次回の10話の前に特別編を挟みますので、そちらもよろしくお願いします!今回も読んでいただきありがとうございました!次回もお楽しみに!

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