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やったれ魔法少女  作者: 千園参
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本物の魔法少女ってやつだよ!

仕事していたら、急に閃いたので平日ながら投稿することができました。それでは楽しんでいってください。

 今日の学校はいつもと雰囲気が違う。何やら同級生の誰かが、転校生が来るという情報を入手したらしく、そしてその転校生がそれはそれは美少女らしいのだ。その情報を手に入れた男子たちは転校生登校当日の朝からソワソワしていたのだった。

 馬鹿野郎。美少女に何を緊張しているんだか。それに俺たちには川端真央というアイドルがいるではないか。今更そんな美少女枠などいらないだろう。

 そして朝礼の時間―――どうやら噂の転校生は俺たちとは別のクラスに転入したらしい。騒がしくならなくてラッキーだと俺は思った。しかし、男子たちはガッカリするどころか、休み時間を利用して美少女転校生に会いにいく始末。お前たちは一体何をやっているんだ。


「川端……俺はお前の味方だぞ……」


「ん?今何か言った?」


 川端の笑みに何かを感じ取った。


「いや、何もっ!」


「ならいいです」


 昼休み―――7話目で初の昼休み描写。俺の昼休みは学食があるためそこで済ませることがほとんどだ。今日も学食で済ませ、教室に帰ろうとした時、廊下から例の転校生が歩いてきた。すれ違うだけかと思っていたが、なんと向こうから声をかけてきた。


「初めまして、私、木山玲奈。よろしくね」


「どうも、藤崎綾二です。よろしくです」


 少しぎこちない挨拶になってしまった。これが友達がいない男の弊害なのか……。訂正、いないではなく少ないね。これ大事。


「では、また後でね」


「あぁはい」


 また後でとは一体どういうことなのかわからなかった。まさか、俺モテ期というやつなのか。いやいや、何浮かれているんだ。俺には心に決めた川端がいるじゃないか。彼女の気持ちは嬉しいけど断ることにしよう。

 会話はそれだけで終わってしまった。でも、結果的にそれでよかったのかもしれない。何故なら会話が長引けば長引くほど、男子どもの目が痛い。どうやら既に木山玲奈のファンクラブなるものも出来ているとか。こいつらは暇なのか。というわけで、一刻も早くこの場を立ち去ることにした。


 放課後―――特に何もないのでいつも通り帰ることにした。


「ねぇ、藤崎くん帰るの??」


「うん、やることないしな」


「じゃあ、一緒に帰ろっ」


 川端が声をかけてくれた。続けて川端が言う。


「男子たちが噂してたよ?木山さんと藤崎くんが何か話してたって、何、話してたの?」


「うーん、初めましてとかそんな感じかな?」


「ホントにそれだけ?」


「うん、それだけだけど」


 川端が何か小声で言っていたがよく聞こえなかった。でも、何故そんなことを聞いてくるのか。まさか川端も木山のファンなのか?いやいや、そんなことある訳ないだろ。じゃあ、どうして気にしているんだ?俺はちんぷんかんぷんであった。

 そんなことを考えていると、あっという間に川端と別れる道まで来てしまっていた。


「またね〜!」


「おう」


 川端と別れた後の帰り道、ふと木山のまた後でという言葉を思い出していた。あれは結局なんだったのか。そういえば告白も何もなかったな。こっから声をかけた方が良かったのだろうか。考え事をしながら歩いていると、街が騒がしいことに気づいた。怪獣が現れたようだった。出現場所に駆け付けると、シューティングイエローが既に戦いを始めていた。


「も〜遅いよ〜!」


「悪りぃ悪りぃ、さっさと片付けるとするか!変身!」


 ブラスターピンクへと変身。怪獣へ攻撃を繰り出していく。今回の怪獣は虫型の怪獣だった。なんだか気持ち悪いな。


「一気に畳み掛けるぞ!」


 俺とシューティングイエローの連続攻撃で怪獣を追い込んでいく。だが、俺たちの連続攻撃を受けても怪獣はなかなか隙を見せない。

 さらに攻撃を仕掛けようとした瞬間、視界に見覚えのある人影が飛び込んできた。


「アイツって……」


「木山さん!木山玲奈さんだよ〜!」


 そう言ったのはシューティングイエローだった。


「まさか…お前!ファンクラブ会員なのか!?」


「僕の会員ナンバーは34!」


「しらねぇよ!てか、34って何人ファンいるんだよ!」


 そんな会話をしている内、木山はカバンから白い変身アイテムを取り出した。そしてそのまま―――


「変身」


 してしまった。

 彼女の見た目はそのままにさらに可愛さが増し、白い魔法少女へと変身を遂げた。


「マジかよ……」


 なんということでしょう。俺は少女が魔法少女に変身したことに驚きが隠せなかった。


「驚いてる場合じゃないよ!あれって本物の魔法少女ってやつだよ!!」


 シューティングイエローが叫ぶ。

 確かに本来少女が魔法少女に変身するのが正解なのだ。俺たちは男だらけの魔法少女で感覚がおかしくなっていたのかもしれない。シューティングイエローの一言でそれを思い出した。

 白い魔法少女に目を戻すと、白い魔法少女も何やら叫んでいる。


「私の名前はライトニングホワイト!お前を倒す!」


 ほうほう、そう来ましたか。相田のシューティングイエロー参上はあながち間違いではなかったのか。今日は発見の多い1日になりそうだ。

 ライトニングホワイトは白い光からロッドを召喚させた。そしてそのロッドで怪獣に連続攻撃を叩き込んでいく。息も付かない連続攻撃に怪獣もダメージを受けているようだった。

 しかし、あんな武器召喚みたいなことができる魔法少女もいるんだな。俺もなんか出ないかなと思った。そして試しに何か出ないかと試みたが何も出る気配はない。


「何やってるのさ〜?」


「いや、何も!」


 そんなことをしていると、ライトニングホワイトはロッドで怪獣を後一息のところまで追い込んでいた。


「さて、そろそろトドメかしら」


 ライトニングホワイトがトドメに入ろうとした時、怪獣の様子が何かおかしくなっていた。何がおかしいのかと言われると説明できないのだが、怪獣から何か違和感を感じた。関係なく技を放とうとしている彼女を制止した。


「待て!何か様子が変だ!」


 彼女はこちら向いた。その一瞬の隙をついて怪獣は逃亡してしまった。

 すると、彼女がこちらに向かって声を張り上げた。


「何してるのよ!あなたのせいで逃げられたじゃないの!この役立たずっ!」


 続く

今回は次回に続く2話構成です。たまには特撮っぽくしてみようかなと思っての遊び心でした。意外と切るところが難しくてどこで次回に持って行こうか迷いました。

というわけで、今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!

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