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やったれ魔法少女  作者: 千園参
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3人!?

今回は最初に言っておきます。築村くん回です。作者は築村くんをかなり気に入っていますので、これからどういうキャラにしていこうかワクワクしながら考えています。それではよろしくお願いします。

 築村溱。賀晴高校1年生。目つきが悪いことからよく不良と間違われるが不良ではない―――らしい。どころかとても根が優しい好青年だということである。そんな彼はある日突然、傷ついた少女を助け、魔法少女になったのだった。


「この力があれば、あいつを……!」


 そう言いながら、ドラゴニックブルーは拳を握りしめた。

 俺はこの時まだ、3人目の魔法少女が誕生していたなんて思ってもいなかった。

 街を救うスーパーヒーロー生活もだいぶ板についてきた今日この頃、学校生活を送り、怪獣を倒し、また学校生活を送り、また怪獣を倒しを繰り返していた。中学3年の時に思い描いていた高校生活とはかなり違うような――――でも、ある意味充実はしているからいいのだろうか。本当にそれで片付けてしまっていいのだろうか。


「おはよう!藤崎くーん!」


「おは…なんだお前かよ」


 相田だった。


「なんだってひどいな〜。僕たち仲間じゃないか〜」


「確かに戦う時は仲間だが、学校生活となれば話は別だ」


「そんなんだから友達できないんだよ〜」


「うるせぇ!」


 そんな話をしていると、とても目つきの悪い男と下駄箱で出会った。


「何見てんだ?」


「いや、見てない」


「そうか」


 そう言って男は下駄箱を去っていった。案外簡単に受け流してくれるんだな。こういう時って嘘つけ見てただろ的な言葉を浴びせられて絡まれるものだと思っていた。いきなり男が話しかけてきて内心とても焦っている。今も心臓がバクバクだ。用がないなら声をかけてくるんじゃないよ。


「あれって築村くんだね〜」


 相田は男が歩いて行った方を見つめながら話し始めた。


「お前あいつのこと知ってんのか?」


「知ってるも何もそこそこ有名人な気もするよ〜?」


「そうなのか?」


「まぁ見た目通り不良っぽいしね〜」


「確かにあの見た目は不良だな」


 できれば関わりを持ちたくない奴だな。なんか危なそうだし。


 放課後――――相田とは別のクラスであるため、ホームルームの長さも当然違う。だから、帰るタイミングが合わないことはよくあることである。そんな時は誰にも邪魔されずに川端と帰ることができるのだ。


「藤崎くん、一緒に帰ろっ!」


「おう」


 いつもの展開ならこの辺で怪獣が現れるのだが、まだ現れない。これはまさか俗に言う怪獣現れない回ってやつなのではないだろうか。

 川端と他愛もない会話を堪能し、いつもの分かれ道で別れた。


「藤崎、また明日!」


「おう!――さて、俺も帰るか」


 そう思った時、どうやら怪獣が現れたようだった。どう考えても現れないわけがないと思ってたよ。どこかで騒がしい音が聞こえる。


「出やがったか」


 急いで向かう。相田の姿は見当たらない。まだ来ていないようだった。


「俺1人でやるしかねぇか、変身!」


 ブラスターピンクに変身し、応戦する。


「デケェ。」


 今回の怪獣はいつものやつよりも大きかった。その怪獣から放たれる攻撃は一発一発がとても重い。


「うわぁ!」


 なんとかガードするが、威力が高く、ガードはいとも簡単に崩されてしまう。

 そういえば、前に相田が言っていたことを思い出した。魔法少女にはそれぞれの得意分野があるのではないかということ。相田のシューティングイエローは狙撃スキルがあることから飛んでいる怪獣や遠距離攻撃で有利。俺のブラスターピンクは攻撃や防御、その全てにおいてバランスが取れている、ノーマルタイプ。そう考えるとこのいかにもパワータイプな怪獣と渡り合うのはなかなか大変なのかもしれない。だが、そんなこと言っても仕方ない。戦わなければ守れない。


「負けてたまるか!」


 敵の攻撃に負けじとパンチやキックを繰り出していくが、敵の巨体にはあまり効果がなさそうだった。


「硬えぇ!」


 攻撃を繰り出すたびに手や足がヒリヒリと痛むようになってきた。こんなやつをどうやって倒せばいいんだ。何か打つ手はないのか。

 俺が攻め手を欠いていたその時、思いもよらぬ男が現れた。


「アイツは……!?」


 そう、今朝下駄箱で声をかけてきた築村溱だった。


「なんでアイツがこんなところに」


 次の瞬間、築村は驚きの行動に出るのだった。

 なんとポケットから俺たちが使っている変身アイテムと同じ形の青い変身アイテムを取り出したのだ。


「どういうことだ!?まさか……アイツもなの!!?」


 築村は声を張り上げ、叫ぶ。


「変身!!」


 築村は青い光に包まれ、青い魔法少女ドラゴニックブルーへと姿を変えた。


「マジかよ……」


 また男が変身してしまうのか。何故なんだ。なぜ男なんだ。

 ドラゴニックブルーは俺に言う。


「お前は休んでろ。こいつは俺が倒す」


 ドラゴニックブルーは巨体な怪獣の攻撃を難なく受け止め、強烈なパンチを打ち込んでいく。俺の攻撃ではびくともしなかった怪獣がドラゴニックブルーの一撃を受けてかなり苦しそうにしている。


「すげぇな」


 圧倒的なパワーに思わず声が漏れる。


「終わりだ」


 築村はそう言いながら、右腕に力を溜める。青い光がドンドン築村のまわりに溜まっていく。すると青い光はなんとドラゴンへと姿を変えた。


「ドラゴンかよ……」


「ドラゴニックハンマー!!」


 ドラゴニックブルーはそう叫びながら、右腕を振り下ろす。振り下ろされた腕に連動するようにドラゴンが怪獣目掛けて落下。衝撃と共に怪獣は跡形もなく消滅した。


「つえぇ」


 ドラゴニックブルーは変身を解除し、この場を後にしようとした時、俺は築村に声をかけた。


「待ってくれ、お前築村だろ?」


 ピンクの魔法少女にそう言われたからなのか、築村は驚いた顔をしていた。この顔もなんだか見慣れてきたな。俺も変身を解除して正体を見せた。すると築村はさらに驚いた顔を見せてくれた。その顔を見るのも2度目だよ。


「お前、今朝の!?」


 築村がそう言った。


「あぁ、俺もまさか同じ学校に魔法少女が3人もいるとは思わなかったよ」


「3人!?」


 そうだった。築村は相田が魔法少女なのはまだ知らなかったのだ。


「あぁ、俺が知ってる中じゃ魔法少女は俺たち含めて3人だ。あとは相田侑亮アイツも魔法少女だ」


「そうなのか……」


 築村は何とも言えない顔でそう言った。続けて築村はこう言った。


「なんだかわからねぇが、これからよろしくな」


 いい奴かよ。シンプルにいい奴かよ。


「あぁ、よろしくな!」


 こうして3人目の魔法少女が仲間になったのであった。しかし、何故男ばかりが魔法少女になるのか、謎は深まるばかりだった。

「この力であいつを」あいつとは一体誰なのか、主人公よりも伏線の多いキャラになりそうな築村くん、果たしてこれでいいのか。でも、やはり私の中では記念すべき主人公は特別なので次回は主人公回にしたいなと思っております。今回も読んでいただきありがとうございました。次回も楽しみに!

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