表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やったれ魔法少女  作者: 千園参
32/65

だーい好き!!

前回の続きです!前回を読まれてない方はそちらも読んでください!それでは楽しんでいってください!

よろしくお願いします!

「お前を倒しに来てやったぜ」


「お前たちに我を倒すことはできない」


「どうかな?」


「「変身」」


俺と木山はそれぞれ、ブラスターピンク、ライトニングホワイトに変身し、セルペンテに攻撃を仕掛けた。しかし、セルペンテのまわりには複数体の怪人が守りを固めていた。怪人たちの鉄壁の守りを前に俺たちはセルペンテに近づくことすらできなかった。


「くそ!これじゃキリがないぞ!」


「言ったはずだ。お前たちでは勝てないと」


「だったらこれはどうだ!ハッピーストライク!!」


セルペンテに向けて必殺技を放ったが、怪人が自らを犠牲に何重もの壁を作り、俺の攻撃を防いだ。


「マジかよ。これでもダメか」


そしてセルペンテは俺とライトニングホワイトにできた隙を狙って、無数の蛇を飛ばして攻撃を仕掛けてきた。


「うわぁあああ!!」


「きゃああああ!!」


打つ手なしと思われたその時、松浦がセルペンテに尋ねた。


「どうしてこんなことをするんですか?」


セルペンテはあまり悩まずに答えた。


「お前が憎いからだ」


「私が?」


「そうだ、我は……私はお前が許せないのよ!」


セルペンテの姿が人間の姿へと変貌した。その姿に松浦は驚きつつも、言葉を発した。


「夏織ちゃんだったんだね……」


「松浦さん知り合いなの?」


ライトニングホワイトが松浦に聞く。松浦は静かに頷いた。そしてその夏織という少女との関係を説明してくれた。


「はい、彼女の前は石川夏織。私と夏織ちゃんは同じ事務所のオーディションを受けた同期なんです。歳も同じだったので、心強くもあり、お互いを刺激し合える、いいライバルだったんです。それに何より、私は親友だと思ってました。でも、先に私だけデビューが決まってしまってから、夏織ちゃんは事務所に顔を出さなくなって、それ以来、夏織ちゃんとは疎遠になってしまっていたんです。まさか夏織ちゃんが怪人になっていたなんて……」


セルペンテの正体が親友だと思っていた石川夏織だったことにショックを隠せないようだった。セルペンテの正体というだけでなく、自分に呪いをかけているということあり、心へのダメージは計り知れない。


「純花!お前が憎い!!だから、あんたを苦しめるために呪いをかけ、あんたがライブを行おうとする度に、手下の怪人を送り込みライブを中止になるように仕向けた!」


「全部夏織ちゃんだったんだね……」


「そうよ!いい気味だったわ!」


「ごめんね……。辛かったんだよね…。気付いてあげられなくてごめんなさい!」


「あんたはまたそうやっていい子ぶって!そういうところも嫌いなのよ!そうやってすぐ人に取り入ろうする!気持ち悪いのよ!!さっさと消えなさい!!」


石川夏織が手から蛇を伸ばして松浦を狙ったが、俺がなんとかガードした。


「ふう!危なかったな!」


「ダーリン……」


「あなたたちの事情はよくわからないけど、松浦さんに呪いをかけて殺したとしても、きっとあなたの悩みは解決しないわよ」


そう言い出したのはライトニングホワイトだった。


「何言ってるのよ!そんなわけないじゃない!この女を殺せば私は全てから解放される!!」


「だから、そうはならないっての!殺した後に残るのはあなたが辛いと感じた日々とそこからちゃんと向き合わず、人のせいにして逃げた醜い自分だけ。くだらない理由で諦めてないで全力で闘ってみなさいよ!!」


「私は……ううぅ……うわぁぁぁぁぁぁ!!!」


石川夏織が自らの意思に反したようにセルペンテへと変化した。そしてそのまわりにはまた怪人たちが群がる。


「ったく、最後まで世話のかかる女ね!」


「怪人たちは俺に任せろ!大変身!!」


俺はスーパーブラスターピンクへと変身した。そのまま必殺技を怪人たちに放った。


「ハピネスボンバー!!」


怪人たちは消滅し、残すはセルペンテのみとなった。


「今だ!!」


「いくわよ!ハイボルテージランス!!」


凄まじい光の槍が一閃。セルペンテに炸裂した。セルペンテは再び石川夏織へと戻っていた。そこへ松浦が駆け寄る。


「夏織ちゃん!」


「純花……私……今度こそ負けないわよ……!」


「私だって今よりももっともっと頑張って夏織ちゃんなんか足元にも及ばないぐらいになってあげるんだから!」


「それはやめなさいよ……」


2人には笑顔が戻っていた。


「木山!ありがとうな。今回は俺だけじゃ解決できなかったよ」


「役に立ててよかったわ」


「でも、お前の言葉なんであんなに説得力があったんだ?」


「教えない!」


そう言って木山は帰っていった。その後、松浦がこっそり教えてくれた。木山はかつてダンスをやっていたようで、ある大会で怪我をし、予選敗退となったことで、そのままダンスを辞めてしまったらしい。弱い自分への苛立ち、変わりたいと願う強い想い、その想いが魔法少女になった彼女にも現れていたのかもしれない。


次の日。木山と下駄箱で遭遇する。


「よう、お前だってまだまだこれからなんじゃねぇのか?」


「うるさいわね、あんたに言われなくてもそれぐらいわかってるわよ」


そこへ松浦が俺と木山の間に入り、腕を組みながら、


「ダーリン!玲奈さん!だーい好き!!」


めでたしめでたし。




石川夏織が人気のない道を歩いていると、背後からポイズンパープルが現れた。


「あなた何者!?」


「お前には悪いがお前にいられると面倒だと言う奴がいてな。そいつのために消えてくれ」


「ふざけるなぁ!!」


石川夏織はセルペンテに変化し、無数の蛇を放ち、ポイズンパープルに攻撃を仕掛けるが、その攻撃を全て紫のチェーンではたき落とす。


「終わりだ。滅殺!!」


必殺技がセルペンテに直撃した。


「すみ……か………」


セルペンテは消滅した。


歌姫3話構成の完結回でした。玲奈と綾二の息が合い過ぎていて辛いです。なぜこんないい女を溱につけてしまったのか。辛過ぎます。めでたしかと思いきやな展開も見逃せないところでした。私は意外とストレートなハッピーエンドよりも後味が悪いのというのが好きだったりもします。

今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ