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やったれ魔法少女  作者: 千園参
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私も会いたいんですけど!

夏休み隣町編もいよいよクライマックスという感じです。このまま前書きを長く書いたらネタバレしそうなのでここらでやめておきます。今回も楽しんでいってください!よろしくお願いします!

「松本から話は聞いた。うちの祐がお前の仲間に迷惑をかけたことは俺から謝る!すまなかった!お前たちが祐を倒して仲間を助けたいと思う気持ちは痛いほどわかる!だか、この一件、俺たちに任せてはくれないだろうか?」


仲本は深々と頭を下げながら言う。


「わかった……」


「え!?いいの〜!?」


俺は仲本の熱意に負けた。


「だが、お前らがどんな答えを出すのか見届けさせてもらう。お前たちを信用しないわけじゃない。しかし、こっちも大切な人をあのピエロに連れ去られているんだ。もし情に負けて、逃すようなことがあればその時は俺がピエロを討つ。それでいいな?」


「それで構わない。チャンスをくれてありがとう……!」


そして俺たちは澤木祐の捜索を始めた。そしていち早く見つけたのは、さすが親友と言うべきなのか仲本だった。俺たちは上野から連絡をもらい、現場へ駆けつけた。そして表には出ず物陰から仲本たちがどのような決断を下すのか見守ることにした。


「どうしてこんことをするんだ!答えろ祐!」


仲本は切り出した。澤木は黙り込んだままだった。俺たちはその様子をただただ見ていた。


「今どういう状況だ?」


「ん?あぁ、仲本が澤木をってお前いつから!?」


後ろに築村が立っていた。一通りの事情を築村に説明した。


「そうか……あいつも色々背負ってたわけか……」


ん?何その分かり合えてる感?いつから君たちそんなに仲良くなったの。俺は築村と仲本の絆の強まりを感じた。そんなくだりをしていると、どうやら澤木に変化があったようだ。


「僕も力が欲しかったんだ……みんなみたいな……そして僕も戦いで役に立ちたかった……」


「そうだったのか……やっぱお前もいいやつだな!そんなお前なら他のやつらも許してくれるはずだ!謝ろう!そして誘拐した人たちを解放するんだ!できるだろ?」


「剛志……君は本当にお人好しだ……でも、人は一度闇に墜ちたらそう簡単に抜け出せないんだ……」


そう言って澤木はピエロ怪人に変身した。


「この………大馬鹿野郎がぁぁぁぁ!!」


仲本もスラッシュグリーンに変身し、澤木ピエロをめったうちにする。スラッシュグリーンの目にも留まらぬ速さで次々と澤木ピエロに攻撃を打ち込んでいく。


「痛い……助けてくれ……剛志………」


辛そうな澤木ピエロの声にスラッシュグリーンの攻撃が止まる。


「やっぱり……俺には……できない……祐を倒すなんてできない……」


「ふふ……優しいな剛志は!」


澤木ピエロがスラッシュグリーンの隙をついて反撃を仕掛けける。スラッシュグリーンはただそれを抵抗せずに受けていた。


「兄貴!このままじゃ兄貴の方がやられちまいます!」


そして攻撃を受けすぎたスラッシュグリーンはその場に倒れ込んでしまった。


「兄貴ぃぃぃ!!」


「やっぱりやばいんじゃないの〜!?」


相田も焦り始めた。だが、俺は最後まで見守る。仲本剛志を、魔法少女スラッシュグリーンを。


「これで剛志も終わりだね!」


澤木ピエロがスラッシュグリーンにトドメを刺そうとしていた。


「あぁ、お別れだな祐……」


そう言ってスラッシュグリーンは立ち上がった。澤木ピエロは驚いていた。


「そんなバカな!まだ立ち上がれるなんて!」


「俺様を舐めんなよ……伊達にお前らみたいなバカどもは頭張ってるわけじゃねぇんだよ……」


「クソがぁぁぁぁぁぁ!!」


澤木ピエロが攻撃を仕掛けたが、スラッシュグリーンが起こす風によって全て吹き飛ばされた。


「テンペスト……ブレイク」


スラッシュグリーンが凄まじい嵐が発生させ、そのまま前転宙返りで何度も回転し、その回転の勢いのまま、強烈なかかと落としが澤木ピエロに放たれた。

あまりの破壊力に澤木ピエロは瞬殺されてしまった。

すると、操られていた人形たちが元の人に戻っていった。俺はスラッシュグリーンに感謝を伝える。


「なに、礼には及ばん……魔法少女とし当然のことをしただけさ……」


そう言うスラッシュグリーンは悲しみに暮れ、震えていた。


「むしろ礼を言うのは俺の方だ!最後まで信用してくれて感謝する!」


「また何かあったらその時は一緒に戦おう!」


俺はそう言って、仲本と握手をした。


「あれ?藤崎くん?なんでここにってここどこ?」


どうやら、川端も正気に戻ったようだった。よかった。本当によかった。川端に何かあったら俺は耐えられないよ。


「無事でよかった!」


ここからそんな言葉が出てきた。


「私どうしてたの?なんか長い夢でも見てたような……」


「魔法少女が助けてくれたんだ!」


「えぇー!また魔法少女!?」


「いい加減、私も会いたいんですけど!」


「俺は日頃の行いがいいから会えるのかな?」


「なによそれ!私だって日頃の行いは悪くないはずなんですけどー!!」


川端を行方不明になったみんなを助けてくれて、ありがとう。ありがとう!魔法少女スラッシュグリーン!!


こうして事件を解決した俺たちは電車で爆睡しながら、自分たちの街に帰るのでした。めでたしめでたし。



「そろそろ知らんでも与えてみるかぁ!なぁ藤崎綾二ぃ!」


コウモリ男が不吉に笑う。


続く。

夏休み隣町編完結回でございました。スラッシュグリーンの奥の手も炸裂し、個人的にはとても好きな回でした。仲本は書き始めすごい嫌いでした。話を聞かないクソ野郎だなと。しかし、物語終盤は男前で途中で好きになってきました。とても魅力的なキャラで特別編とこれで終わりというのは勿体ない男だと思いますので、頑張ってどこかで登場させようと思います。今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

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