やっと一発殴り返せたぜ
以前、初の2話構成なんてやっていたのに、今は物語が3話続いています。今作を書き始めて約1週間、意外と慣れてくるもんですね(笑)それでは今回も楽しんでいってください!よろしくお願いします!
「お前らを倒して俺はさらに強くなる!」
ドラゴニックブルーは上野ゴーレムを吹き飛ばし、その勢いでスラッシュグリーンに殴りかかる。
「おいおい、てめぇじゃ俺に……ぐはっ」
ドラゴニックブルーの攻撃がスラッシュグリーンにヒットした。
「てめぇ……やってくれんじゃねぇか!」
スラッシュグリーンのさっきまでの余裕がなくなった。どうやら、本気を出し始めたようだ。
「いつも雑魚の怪獣相手で飽き飽きしてたところだ!てめぇみてぇな野郎と戦えるのは稀だ!俺様が本気で相手してやる」
「あぁ!兄貴ずるいっすよ!そいつは俺の獲物っす!」
「お前じゃあいつには勝てねぇ、他の奴ならお前にくれてやる」
「仕方ないっすね」
他の奴とはきっと俺たちのことなのだろう。上野ゴーレムはドラゴニックブルーから俺たちに標的を変え、突進してきた。
「いくぞ、シューティングイエロー!」
「わかってるよ〜!」
俺たちが上野ゴーレムと交戦している中、ドラゴニックブルーとスラッシュグリーンの戦闘も白熱しているようだった。
「オラオラオラぁ!さっきまでの威勢はどうした!」
どうやら、スラッシュグリーンが優勢に立っているようだ。スラッシュグリーンはかなり強く、俺たちの街では戦闘能力が高いドラゴニックブルーを圧倒し始めた。
「これで幕引きだ!」
スラッシュグリーンが足で風を起こし、それをドラゴニックブルーに放った。
「ドラゴニックブルー!!」
俺は膝をつく、ドラゴニックブルーに声をかける。
「心配しなくても、俺は負けない。絶対に勝つ!果たすべき俺には復讐がある。こいつは俺の復讐の単なる土台に過ぎない!お前はそこで見てろ!うおおおおおおお!!!」
ドラゴニックブルーは力を溜めた。すると、両手の甲から青く光るドラゴンの爪のようなものを召喚した。そしてその鋭い爪でスラッシュグリーンが放った風を切り裂き、掻き消した。
「ドラゴニッククロー」
「お前そんな技いつ覚えたんだよ……」
「今だ」
「今ぁ!?」
俺とドラゴニックブルーがこんな会話をしていると、スラッシュグリーンが反撃を始める。スラッシュグリーンのパンチがまともにドラゴニックブルーに炸裂した。しかし、
「効かねぇ……」
多分、嘘である。ドラゴニックブルーが少し肩を震わせていた。単純に痛いのを堪えているのか、それとも築村の言う復讐への痛みはそれ以上なのかもしれない。そして攻撃に耐え、スラッシュグリーンにさらに追い討ちをかける。蒼く輝く龍の爪がスラッシュグリーンを苦しめた。
「ぐぅぅぅ、なんだって急に強くなりやがった……」
「兄貴!ここは一旦退きましょう!」
上野ゴーレムがスラッシュグリーンに駆け寄ろうとした。
「させるか!」
俺は上野ゴーレムに向けて全身全霊のパンチを放った。
「ハッピースマッシュ!!」
ついに俺も頑丈な上野ゴーレムを殴り飛ばすことができた。上野ゴーレムは壁にめり込んだ。
「やっと一発殴り返せたぜ」
「ちっ!どうやらホントに退き際らしいな。逃げるなんて俺様らしくねぇが、上野のためだ。仕方ねぇ!あばよ!」
そう言ってスラッシュグリーンは竜巻を発生させ、俺たちの目をくらませた。その隙に退散したようだった。
俺たちは変身を解除した。そして築村はふらふらになりながらも、またどこかへと歩き始めた。
「おい、どこ行くんだよ!」
俺が呼び止めるが、聞く耳を持たず、そのままどこかへ行ってしまった。アイツの復讐はそんなにボロボロになってまで果たさなければならないものなのかと俺は疑問であったが、俺にはそんな経験がないため、築村に対してかけてやる言葉が見つからなかった。
日も暮れ始めたので、俺と相田は一度自分たちの街に帰ることにした。しかし、あのピエロ怪人が行方不明者と関係を持っている以上、この街には行方不明事件を解決するまでは来ることになる。仲本剛志に任せてもいいのだが、アイツに頼るのは癪なので、何がなんでも自分たちで解決すると決めた。
「でもさ〜、ほんとにツッキー置いてきちゃってよかったの〜?」
「まぁ腹が減ったらアイツも帰ってくるだろ」
そんな話をしながら俺たちは電車に乗り、街に戻った。
次の日。
「よし、行くか!」
俺と相田は再び隣町に向かう。今度こそあのピエロ怪人を倒し、行方不明事件を解決するためだ。そこには築村の姿はなかった。一応携帯に連絡は入れておいたが、どうやら単独行動をすることを選んだらしい。それはそれで仕方ないかと俺は思った。
駅に着くと、全身黒ずくめでボサボサ髪に黒いマスクを着けた男が立っていた。
「待っていた。ワシの名前は松本徹平。君たちを倒すようにと命じられてここで待っていた」
どうやら、仲本剛志も俺たちがもう一度この街に来ることを読んでいたらしい。
「上等だ!だったらあんたを倒して先に進ませてもらう!」
そして俺は相田に耳打ちする。
「いいか?俺がこいつの足止めをする。お前はその間にピエロ怪人の情報を出来る限り集めろ。いいな?」
「了解〜」
「いくぜ!変身!」
俺はブラスターピンクへと変身した。俺が変身したのを見計らって、松本徹平も変身した。ニンジャのような怪人に。
続く。
今回は新技回と魔法少女ではない、新たなタイプの怪人登場回でした。白熱する魔法少女同士の死闘は果たしてどこに決着するのか。最後まで見守っていただけると嬉しいです。今回も読んでいただきありがとうございました。次回をお楽しみに!