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第2話 - 出会いはロリから

遅ればせながら第2話になります。

ちょっと展開が早いのと、短いですが、そこは初心者なのでご容赦ください。

 別に何か思い当たる節があったわけでも何か策があったわけでもなかったので、駅前についてから自分がこんなにも軽率だったことに驚く。

 とにかく彼女を見つけなければ、理之は早く夢で見た少女に会いたかった。

 夢の中での出来事を、問い詰めなければ。そしてあわよくば……

 そんなことを考えながら、写真を頼りに人に聞いてみる。

 普段であれば絶対にこんなことしないので、慣れていないせいか不審者のようになってしまう。

 真昼間から、少女を探す高校生。なかなか危険な人物じゃなかろうか。近くをパトロールしている警官が目に入った。

 まずい、このまま不審に少女を聞いて回っていてはお世話になりかない。

 どこかへ移動しなくては。

 そうしているとその時、ふと女の子の鈴ような声で。


「理之」


そう呼ばれた気がした。


「え!?」


 驚いて振り向いてみると、白銀の髪を靡かせた幼い少女が目の前に現れた。

 とても整った顔立ちからどこか別の国の住人かと思わせるような、透き通る白い肌に白銀の髪が映える。まだまだ育ちざかりを思わせるその見てくれの幼さからは小学生だろうか、そんな印象を受ける。

 白銀の髪というだけで明らかに周りと比較しても浮いた存在でまして、小学生が、こんな昼間から駅前にいる時点で補導されてもおかしくない。

 だのにほとんどの人が見向きもしない。なんでだろうか、理之はその少女から目が離せなかった。


「君は……」

「私はアリス、一緒に来て」


そう一言告げて、アリスは路地の方を向き歩き出した。


「え、ちょ、まって」


 戸惑いながらも選択肢はない。彼女の後を追う。しばらく路地を進んでいくと、広い通りに出る、少女の向かう先に大きな建物が見える。

 外観は中世ヨーロッパ風のような、建物の周りが庭に囲まれた、正真正銘貴族の邸宅といった感じだ。この辺にこんな建物あっただろうか。

 アリスは音を立てて大きな門を開けて入っていく。


「私の家、入って」

「え、あ、うん」


 いきなり可愛い女の子……ロリの家に招かれる。何せ女性と交友関係をあまり築いたことがない理之だ。ましてや夢で告白してきたロリに誘われてしまったのた。変に期待してしまう。

 迎えられて入った先には、一人のメイド服を着た少女がいた。これまた可憐な少女に理之はさらに戸惑う。


「この子はシャロって言うの、私の家に古くから仕えてくれている子でね」


 ペコっとこちらに向かってお辞儀をするメイド服のシャロ、とても可愛い。

 年はアリスと見た目では幾分も変わらない印象を受けた、理之は終始ドキドキしていた。

 夢で告白してきた少女ともう一人、メイド姿の少女。そんな二人が近くにいて、興奮を抑えられようか。

 そんなことで悶々としながらも、奥へ案内され、席に着く。

 しばらくして、シャロがティーポットにお茶を淹れて持ってくる。

 見た目とは裏腹に本当にメイドらしい手早くカップに注いで茶菓子と共に出してくれる。


 「ありがとうシャロ」

 「どうも」


 アリスに続いて彼女にお礼を言うと、またペコリとお辞儀をして部屋の隅で待機する。

 そんな姿に感心しながら、ティ-カップに口を付けてお茶をゆっくりと飲む。うまい。

 そうこうしていると、銀髪の彼女が口を開く。


「さて、今日は理之に来てもらえてうれしい! まさかこんなに早く会えるなんて!」

「ああ、俺もこんなに早く君を……アリスを見つけられるとは思わなかった」

「改めて自己紹介するわね、私はアリス=イン=ヴァリット。」

「アリスイン……?」

「そうね、珍しい名前かしらね、一応西欧諸国に名高い貴族なのよ」

「そ、そうなのか、俺は比呂理之」


 なるほど貴族か、確かに豪華な屋敷にメイドまでいるんだ。そうなのだろう。

 いや、そんなことよりもだ、先に聞くべきことがある。

 お茶を勢いよく飲み干し、アリスに向き直った。

 が、こちらが口を開くよりも先に彼女が口を開いて発言する。


「なぜ、夢の中に居たのか、聞きたいのよね?」


 そう核心をいきなり突かれて驚く。

 どうして、自分の妄想であるロリートピアにアリスそっくりの女の子がいて、告白をしてきたのか。

 なにより、夢に出てきたことをこの子は知っているんだ? 

 

「君はどうして俺の夢に出てきたんだ? しかもあれは……」

「不思議よね、夢の中で、今目の前にいる女の子が、『あなたが好き』って告白するの、さぞ驚いたでしょうね」

「そうだ、なんで君は……」

「いきなり告白してごめんなさい、あれは、あの時は夢で逢うしか手段がなかったから仕方なかったの」

「え……それって」

「私はあなたが好きになったの。だから夢の中で告白して、直接こうして会いに来た、それだけ」

「そんなことが?」


 こんなことがあるのだろうか、自分の頬をつねってみる。

 痛い。

 やはり今日の出来事は朝から夢でないことが確信できた。


「もちろん夢じゃないわ、でもいきなりで驚くわよね?でも本気なの。あなたが所謂ろりーたこんぷれっくす?ということ含めて好きなの」

「ぐ、勘弁してくれ……」

「あはは!」


 彼女は笑って見せた。可愛いかった。

 ただ、やはり疑問は残る。どうして自分のことを知っているのか、ネットで知ったとして、夢で逢いに来る必要があるのか。

 しばらくそう思案していると、また彼女が口を開く。


「そうね、やっぱり説明しておかないとだめよね。シャロ、お願い」

「畏まりました。アリス様」

「え……?」


 そう言ってシャロに指示を出すと、シャロは部屋のドアの近くにあるパネルに近づいてボタンを操作する。

 日差しを取り込んでいた窓の上からシェードが締まり、部屋には太陽光の代わりにほんのり照明がつく、そして、先ほどまでお茶が置かれていた机の上に見たことのない青白い灯と共に何かが浮かび上がる。


「いきなりびっくりした?ふふ、男の子ってこういうの好きじゃないかしら?」

「いや、なんだよこれ」


 まるで、SFのホログラムのように、投影された中に映し出されたのは、立体地図のようだったが見たことのない大陸と一人の幼女だった。

 確かにそこにみえているのだが実体は無い様子で、証拠にお茶はこぼれていないようだった。


「私たちがこの世界に来た理由、それはあなたに会いに来たこと、単にそれだけならよかったのだけれど」


 彼女は一拍おいて、続ける。


「私たちはね、理之の居るこの世界とは別の世界から来たのよ」


 戸惑う理之とは裏腹に世界の運命の歯車は歪に、悲鳴を上げながら回りだした。


続きは明日。

またこの時間くらいに投稿します。

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