転生ゲームズ
(あれ?ここは?)
紫乃は辺りを見回す。赤い絨毯の敷かれている部屋にあるベッドに紫乃は寝かされていた。
紫乃は昨日まで転生ゲームズというVRのオンラインゲームを楽しんでいた。しかも服が寝る前に着ていたパジャマではなく、制服に変わっている。
(とりあえず、外に出よう。)
ドアに手をかけて部屋の外に出た。長く続く廊下に、2メートルほどの間隔に窓が付けられていた。紫乃は真っ直ぐ進んだ。
ふわっ。紫乃の前に狼の面をつけて赤いジャケットを着ている女性が現れた。黒い髪が腰辺りまで伸びている。
「ようこそ、転生ゲームズ『紅の館』へ。」
「紅の館?」
「はい。詳しい事は皆さん待っておられるので奥の部屋でお話しします。」
女性はドアノブに手をかけて開ける。ガチャ部屋の中には10人ほどの少女が居る。
「お待たせしました。全員揃ったので始めましょう。」
女性は一番奥の椅子に腰かけた。
「まず私の名はリン。この館を使用人です。この館には羊やウサギの面をつけた者がいますが館の従業員ですから何なりと。」
「そんな事よりここは何ですか。」
眼鏡をかけている真面目そうな少女が尋ねた。けれど紫乃には見覚えのない少女だ。
「言った通り紅の館です。皆さん転生ゲームズをプレイしているので分かると思いますが、詳しく言えば貴方達が暮らす場所です。ここでしてもらいたい事は一つ転生ゲームズと同じ『殺し合いゲーム』。貴方達には実際に転生してもらいました。見た目は変わりませんが、全員異能力を持っているので、それを活かしてこのゲーム内に出てくるやつらを倒してもらいます。」
リンは片手を上げて一つの映像を見せる。
「これはこの近くにある爽の塔で暴れている『水楼』です。桜様、美月様、そして紫乃様には戦ってもらいます。」
そしてリンはポケットから黒い10枚のカードを取り出した。