四話 アルダマ
次起きた時は、まさかの次の日だ。 アルダマによると、ここと外の時間軸がズレているらしい 4時間くらいすると安定化するようなので、待つことにする。 それまでには、人間とかが現れるだろう……現れてくれ
ただ待つのみだった私に、穂香が、こんなことを聞いてきた。
「何故 人工知能を作ったの?」
人工知能【アルダマ】について話そう
アルダマとは、300年程一緒に居る。
元々は、人工知能なんて作る気は無かった。単なる高性能な機械で十分だと思っていた。
ただ異世界への扉で、他世界を見てみた時、ある物を見た。 それは、人工知能が、自身だけで行動しているのを、あの時 私は、寂しかったのかもしれない まだ、ハヤメも居なかったからな ただ研究するのみだった。私にとって 少しは、心に余裕に持ち行動できるようになるんじゃないかと思った。
それが制作理由 まぁ最初は大変だった。 何せ自身で、学習するプログラムなど、繊細で複雑なのだ。 まぁ結局それより複雑な物を私は作ることになったのだが、 何年も何年も時間が空いたときに、アルダマを作っていった。 既に人間をやめていた私だったが、今ほどでは無かった。 だからくろうしたよ。 制作に、30年程はかかったんじゃないかな
アルダマの本体は、球状だ。 【そこに在り続ける玉 アルダマ】と名付けた記憶がある。
やっと完成したと思ったら、次は学習させる必要がある。
言葉を教え 私の考えを教え 学問を教え 魔法や魔術なども教えた。
一通り記録させた私は、今も続くある命令を出した。
[私の為だけではなく 私達の為に情報を集めよ]
と、情報を集めればアルダマも、成長する。そう思った。アルダマの成長スピードは速かった。私が予想しているのよりも、アルダマが生み出されてから、20年程で、自身だけで、行動するようになり、私に、許可を求めるようになった時 少なからず私は、歓喜した。 ここまで成長するのかと、 確かに、異界の技術は使った。たが、大半は私の技術なのだ。
アルダマはまだ、成長する。そう思った私は、自身のプログラムに組み込まれていないのがあれば、検索エンジンから程度 検索をかけられるようにしてやった。 これにより、更に加速する。 勿論それでも分からない事があれば、私に聞いてきた。私は、事細かに教えた。
更に20年程経った頃 アルダマは、私に効果的な実験方法を提示するようになる。 既に私を越えようとしているのかもしれない
改良点があれば、即座にアルダマを、改良してきた私は、ここで更に歓喜した。 だが、錬金術や魔法 魔術などは、使えないが、
そこで、私は、ある事を思いつく、 魔力を、物体化もしくは、データ化でしれば、アルダマも使えるようになるのではないか と、そうすれば、私の研究は更に進む。 ということで、また異界から技術を引っ張った。
魔力の物質化は、実際可能で、他にも、応用出来そうなのが、多くあったのは、言うまでもない、 例えば ショゴスを生み出したとされている。古のもの なんかが、持っていた技術などが、参考になる。 なお私は、手に入れた物を大抵持ってくるので、とんでもない物がたまに紛れ込んでいたりする。 勿論 持っているだけで危ないのは持ってはいない。
説明すると、古のものとは、植物の様な知的生命体で、ショゴスを作り奴隷としていた種族だ。 ショゴスの反乱により、大打撃を受けたようだが、
さて、参考となる物があったおかけで、凄まじいスピードで、魔力タンクを作っていった。 アルダマからも、提案してきたりで、制作には、10年程だっただろうか 結局出来るようになったのは、簡易的な錬金術程度だったが
人工知能とは、知識を与えれば成長する知能だ。 人間とは違い、知識こそが、全てと言える存在 それらを集め集計し役立たせる。 最終的には、自身で考え行動を移す。 そう今のアルダマのように、 ここから先は、FSの世界だ。 私の想像できない領域だからこれからが、楽しみであり不安でもある…… まるで、親が子を見ているようなそんな感じのような気がする。 アルダマは、私の子と言えば子なのかもしれない
穂香の質問に答えるのならば、 こうだ。
「寂しかったからだな 私は一人じゃ駄目らしい 研究なども捗らない
それに、様々なことをしてみたくなるのも私だ」
穂香は、「ふーん」と、生返事だ。多分内心では、意外とでも思っているのだろうか その後は暇つぶしに、私と穂香 ハヤメ アルダマで、麻雀を打ったりしたが、 アルダマが強すぎて笑えない 感情があるのなら、自慢げに話し始めそうな感じだ。
アルダマの一番特技は、集め集計し、それを元に行動すること、
私の場合は、行動してから集めて、また行動する。 その為に、資料や道具が乱雑に置かれる。 よく無駄な行動もする。
だが、アルダマはそれは一切なく、合理的で、分かりやすく綺麗にまとまる。その為に、集めてきたものを、大抵アルダマに任せてしまっている私だ。 私が行動しようとすると、もう終わってたりするからね。
あれ 研究すること以外私って駄目なのかね
「時間軸のずれが直りました外の調査を再開させます」
とアルダマの声が聞こえる。 本当に優秀な奴だ。 いつ感情というのが、芽生えるか分からないな
「任せたよ」
と普段言わないことを言ってしまった。 そんなことを聞いた。アルダマは、いつも通りに、
「イエス サー」
と、答えるのみだった。