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無気力JKの非日常生活  作者: CHEB丸
第1章
3/19

〜状況判断はお早めに〜

「えっ...て、ぇえぇえ!?おい!お前何してんだよ!」


そう言うと背の高い男子ーーー部長である田沼(たぬま)俊樹(としき)は急いで止めに入った。


「あ?てめぇ、命が惜しかったら黙ってろっつったろ。止めんじゃねぇ」

「相変わらず口の悪い...。あ、おい、勝手なことばかり...」

「おい、二度は同じこと言わせんじゃねえ。見て分かるだろ、ほら」

「えっ....?あっ....」


視線を男性に戻すと...


「ぁあぁ"...」


動いていた。

痛がっている様子もなく。


「どういう、こと...?」

「一応足を狙ってみたが予想通りだな。さっきも言ったけどあれはゾンビだよ。予想通りいけば次で死ぬ。まぁもう死んでるだろうけど」


知由は2本目を番えーーー射抜いた。頭を。


部員たちはとっさに目を背ける。

「大丈夫だよ、君らが思うほどグロテスクなことにはならない。死んでるからね。血が吹き出ることはないよ。」


頭を射抜かれた男性、もといゾンビは呻き声も発しないままその場で倒れ、動かなくなった。


「確認してくるから来ないでね」


そばに駆け寄ってしばらく観察すると知由は部員たちの元へ戻ってきた。


「ん、大丈夫っしょ。とりあえずみんな制服に着替えて。私の予想だとこれから私らにとって最悪の事態になるから。」

「えっ、あっ」

「田沼、しっかりしろ。みんなに指示を出すことはできるが動かすことは私にはできない。ここから先はありえない世界が始まると思っていい。状況判断は早めに頼む。とりあえず速攻で着替えさせて道場に集合させてほしい。」


田沼は黙って頷いた。



「さて、あらかたのことは説明しましたっ、がー」


おそらくだが朝の事故が原因だということ、ゾンビとは何か、どうすれば殺せるのかーーーこれから何が起こるのか。

知由は自身が知り得ることを部員たちに話した。


部員たちはポカンッとしている。


「まぁ無理もないよね。とりあえず幸いなことに私たちには弓を引く技術がある。元々戦闘用だから殺傷能力は高いはずだよ。あとは...君達が本当に、人に向かって矢を放てるか、かな...」


部員たちは不安な顔をしている。


「覚悟ができるまで私が守るけど、それもいつまで続くか、ってのが現状だよ。矢だって無限にはない。回収している時間もない。多分まだゾンビは多くないと思うけど確実に増えていく。だから、早く、覚悟を決めてほしい」


覚悟ーーー人を、人の形をしたものを殺める覚悟。理屈は分かったが、できるかどうかは全員が不安に思っていた。


「まあここにいても仕方ないから。私はとりあえず大切な人だけピックアップしてくから。君達もそうしたほうがいい。」


一拍置いて、知由が言う。


「あらかじめ言っておく。知り合いみんなを助けることはできない。本当に大切な人だけを選ぶんだ。ーーー後悔しないために」



そして、知由はスマホを取り出し、連絡先を眺め、数秒してかけはじめた。




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