玉座の向こう側(仮)
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初投稿で駄文でまったくまさしく初心者なので、最後まで読んでいただければ、光栄です!
いつの間にか、俺は王になっていた。
王は勝手に選ばれるものだ。神によって。
神様なんていないと思っていた俺でも、王様に選ばれてしまったら、認めない訳にはいかない。しかしまた、王様というのは面倒な職業だ。
「レヴァ様、また遊びに行っていたのですか?諸官はみな、呆れ果てておりますよ」
「んーんー、分かったよ。今朝、朝議に出席しなかったのにはわけがあってだな…」
「毎度毎度それでは、もう騙されてやりませんよ。大人しく捕まってください」
王様というのは、辞められない。
王は決して諦めることを許されない。
王が死すのは、神が民の意思を認めたとき。その時に民の代弁者が玉座を簒奪する。たとえ、どんな王であろうと、その玉座は簒奪されたという。
神は絶対だ。
王には否応なしにその責任が問われる。
もうひとつ、王を死す方法がある。それは神の代弁者が王を殺したとき。
「なあ、雷の。俺は王か?」
「是。天は汝を選んだ」
「面倒だなぁ。雷の、俺は死ぬべきではないか?」
「否。汝は賢帝なり。死ぬべき時ではない」
「何でだろうなぁ。王はなんで、寿命がないんだ?」
「不答。神は人に交わらず。王は地上の神である。これ以上の解答は期待されるな」
俺は雷の国の王だ。だから、雷の神の代弁者がいる。なんでか、俺以外には見えないらしい。なんとも無愛想な代弁者だ。しかし、この国の歴史を見守って来たのは確か。王はこの代弁者と一蓮托生で国を治めるらしい。
俺はもう飽きた。だから、この国を滅ぼしてもいいだろうか。
俺はもう頑張った。元々、農家の次男が王になることが可笑しいんだ。俺はもうこの国を百年も治めた。だから、駄目だろうか。
俺はこの国を滅ぼそう。俺はなにもしない。
だから、だから、
誰か俺を殺してくれないだろうか。
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