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~とあるルルカが求める大事なもの~

ある日の暗い屋敷一段高いところに置かれた王座にルルカはいた。

壁一面黒一面で覆われ真ん中にポツンと置かれた黒い円卓テーブル…ここから全ての物語は始まった……。


7人のアリス達が初めて顔を合わせたのもココ、そして、僕とのゲームを始めたのもココと王座に座りながら考えていた。









ルルカは王座に座りながらアリスたちの様子を眺めていた。



「このゲームを始めて少し経つけれどまたこの城に辿り着くのは一体何時になるのだろうかねー樰ノゆきのしん……。」



ルルカがそう呟くと、着物を着た銀と黒色の髪の毛のメッシュの男がルルカに、


「そうですね分かりません。ですが、ルルカ様はそのお方を【真のアリス】にし、あの物語を完成させたいのでしょう?」



するとルルカが、樰ノ心に下を向き顎に手を添えながら、


「そうだな。今まで誰にも完成される事のなかった『殺人ゲーム』の存在する残虐かつ絶望的世界からの革命を……。」



「あなたはいつも無茶をしますよね。」


樰ノ心はルルカを見ながら微笑みながら注意した。


「そうかな?まぁそんなことは知らずにあの子たちは本当の私を探してるんだけどね……」



「ゲームの内容ってなんでしたっけ?」



「7人のアリスの中で一番早く本当の私を見つけた者にだけ君たちが叶えて欲しかったたった一つの願いを叶えるという単純かつ巧妙な罠が仕組まれたゲームだよ。」


ルルカが説明したルールに少し疑問を覚えたので樰ノ心はルルカに質問した。


「罠?」



「単純だから乗ろうと皆は簡単に乗ろうとするが私はそうたやすく見つかるものではない。特に耳のある本当の私はアリスと同じで特別だからね。」



「同じ……。」



樰ノ心はルルカを見つめながらアリスと比べていたがルルカとアリスが同じと言うのは全く想像がつかなかった。


「樰ノ心なんか飲むかい?」


「それでは……コーヒーを。」


「コーヒーね。君は大人なんだねー僕はねそういうの飲めないんだよ。」


そう言いながらルルカが飲み始めたのはマスカットティーだった。


「珍しいですね……マスカット…。」


「アリスが好きなんだよ。いや…だったかな?」


「……だった?」



「余計なことを言ったみたいだねー忘れていいよ。」



そう言いこの始まりの部屋をルルカは出て行った。




「ルルカさん……。」



そう出て行ったルルカを見つめ樰ノ心はつぶやいた。







出て行ったルルカは扉の前でへたり込んでいた。





「ちょっと……喋りすぎたかな。」




そう言い体育座りをしながら顔を伏せていた。





「アリス早く…………早く……僕を……この僕を…見つけてくれないか……ぁお願いだ……」




そう言い誰にも見せたくない様なルルカの涙の鳴き声を扉越しに樰ノ心は静かに聞いていた。






「(ルルカさんやっぱり無理を……)」








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