~とあるアリスと音のない国(2)~
5人目のアリスはとある国の音楽一家に生まれたアリスが不思議の国に迷うお話です。
今回のアリスが迷い込んだ国は【音のない国】その国に住む者は産まれた時から音を持たずして生まれてきそこに移住した者は音を自然と失くしていったそんな不思議の国にアリスは迷い込んだ。
そしてその国には一人だけ音を持つ男が存在した……。
そんな不思議な男とアリスの物語である……。
アリスは長身の男ことルルカ=アリアネットの家で男が育てている穀物の畑作業の手伝いをすることとなった。
「それにしてもこの村はホントに静かね・・・・・・・・・・・私がいた世界にはもっと音がたくさん溢れていたのに……。」
すると、畑仕事の手を休めるアリスに近づいて話しかけてきた。
「どうしたんだ?腹へったのか?」
するとアリスはため息をつきながらアリスは男に向かって再び手を動かしながら喋り始めた。
「私が元いた国ではねもっと音が溢れかえっていて1つ1つの音がきちんと聞こえたりすることなんてないの。それに、音が無い『無音』の世界を味わうことなんて一生ないわ・・・・・・・・・無音ってこんなにも寂しいのね。耳が聞こえない人はいるけれど耳が聞こえないのと無音とは違うものね・・・・・・でも、この国では普通なのよね、だから、その中で一人音が聞こえるあなたはどんな気持ちなのかなーって・・・・・・・・・。」
アリスは畑を耕しながらルルカの顔を一切見ずに空を見上げ呟くように語った。
その言葉に答えるようにルルカはアリスの方をしっかり向き答えた。
「『無音』の世界は寂しいようで俺にとっては心のよりどころでもあるから失いたくない場所でもあるかなだから、俺は別にみんなと一緒なんて望んでない・・・・・・・・・このままでいいさ。」
と少し寂しい言葉を吐き小屋の中に戻ったルルカの背中は何かを隠しているように少し丸くどこか寂しく哀愁を漂わせていた。
そんなルルカを心配する姿を見たオーバーオールの女の子ことマリア=リステリアがアリスを気を使って喋れない片言の声で慰めに来た。
「ル………だいじょ……!」
小さな動作が健気でそんな女の子に慰められているのかと思うのかとアリスは自分で考えると自分が情けなく感じた。
元の国で自分があんなにも憎しみ苦しみ一度は嫌いになった音をどうして今は好きと思えるのかとアリスはふと考えていたが今は深いことは考えないことにしたがこの時アリスもマリアも知らなかった・・・・・・・・・。
この国の音が無い理由の・・・・・・・・・・本当の理由を。
そしてその理由がこの国の悪魔の子と呼ばれるルルカの本当の正体だとは・・・・・・・・・・・・。
「マリア~小屋の中に行ってお菓子食べない?」
すると、わからないのかマリアは笑顔を浮かべながらアリスの手を握った。
その手は妙に冷たかった・・・・・・・。
「マリア・・・・・・・?」
「いいよ(手話で)」
手話でいいと会話したマリアの手の温度が気になったアリスだがまぁそんな女の子もいるのかと気にせずアリスはマリアと共にお菓子を食べに小屋に向かった。