表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力ゼロと追放された私、なぜか王国の魔法を全部書き換えてしまいました  作者: 和三盆


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/10

第1話 「魔力ゼロ、追放決定」

「――レイナ・アル=サン。魔力測定、ゼロ」


水晶球の前で、教官がはっきりと言い切った瞬間、

講堂に集まっていた生徒たちが、ざわりと空気を揺らした。


「ゼロって……測定ミスじゃないの?」

「ありえないでしょ、魔力がない人間なんて」


ひそひそとした声。

嘲笑、同情、好奇の入り混じった視線。


レイナは――内心で、少しだけ首を傾げていた。


(あれ? 思ったより静かだな)


叫ばれると思っていた。

絶望して膝をつく自分を想像していた。


でも実際は、ただ一つの感想しか浮かばなかった。


(なるほど。“ゼロ”か)


「王立魔法学院の規定により、魔力を持たない者は在籍を認めない」


教官の声は事務的だった。


「よって、レイナ・アル=サンは本日付で学院を追放。

三日以内に王都を離れ、辺境領へ向かってもらう」


――追放。


その言葉に、周囲が一気にざわめく。


「かわいそう……」

「でも仕方ないよね、魔力ゼロじゃ」


レイナは、ゆっくりと一礼した。


「分かりました」


あまりにあっさりした返事に、教官が一瞬だけ眉をひそめる。


「……何か言い残すことは?」


レイナは少し考えたあと、正直に答えた。


「一つだけ、質問いいですか?」


「なんだ」


「皆さんって、魔法を使うとき

“なぜその手順でやっているか”考えたことあります?」


教官も、生徒たちも、言葉を失った。


「……何を言っている」


「いえ、気にしないでください」


レイナは微笑んだ。


(やっぱりだ)


この世界の魔法は、

効率が悪すぎる。


前世――日本で、

レイナは無駄を見つけては改善する仕事をしていた。


感覚任せの作業。

理由の分からない手順。

「昔からそうだから」という言葉。


それらがどれほど脆いか、嫌というほど知っている。


(魔力がない? ううん)


(“無駄な魔力”を使えないだけ)


講堂を出る直前、

背後で誰かが小さく笑った。


「ゼロ点魔法使い、辺境で何ができるのやら」


レイナは振り返らなかった。


(楽しみだな)


(誰もいない場所で、思う存分試せる)


――魔力ゼロの少女が、

世界の魔法を壊し始めるまで。


それは、まだ誰も知らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ