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ある女の成り立ち2
晴れた日は外に出て木に登った。
家の周りは木々に囲まれていた。
家の周りの農地を造園業者に貸していたため、木と竹やぶと大きな石が至るところにあった。石に寝そべって空を眺める。開けた空に月が上がる。太陽が差す。そこが私の遊び場だった。
兄は2歳差で歳も近く近所の子ども達とよく遊んでいた。同学年がいなかったため私は喋らず兄の後をついて遊んだ。彼らが誰だったのか、今はもうわからない。
保育園に入る頃、よく父の同僚が家に来ていた。お茶出してと言われて足がすくんだ。言葉が出ない。母親がこうするんだよ、と教えてくれて、その通りにお茶を出す。たまに誰かの膝の上に抱えられる。耳に入る言葉も声も大きな音だった。
父は人と集まる事が好きで家には沢山の人が出入りした。父は声がでかく快活でお調子者。保育園に入る前、父にデブとからかわれて野菜ばかり食べるようになった。父は今でも楽しそうにその話をする。
夜は姉が絵本を読んでくれた。姉は4歳年上で子どもが好きでよく面倒を見てくれた。平屋の日本家屋に5人。家は貧乏だった。
姉や兄と背中をかき合ったりシリトリをしながら寝た。
眠るときはオレンジの豆電球が閉じた目の奥で揺れる。
父の怒声が増えたのはいつからだったか。
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