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幼い頃から触覚や色覚が体の核に繋がっている感覚がある。音を聞くと核が揺さぶられる、その気持ちを言葉にする作業が追い付かない。
核に傷がついたら泣く、悲しかったね辛かったねと言葉をかける。
その仕組みを知ったのはつい最近だ。
知識で知って他人に投げ掛けることができるようになっても、自分の事となると、相も変わらず感情も言葉も追い付かない。
身に付いた習性で核に傷がついても蓋をする。無理矢理理屈で押さえつける。自分の傷を見て見ぬふりをする。
でも全てを覚えている。
「これくらい平気」
(「許せない」)
「これくらい平気」
(「愛してほしい」)
読んで頂き、ありがとうございました。
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