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必死で逃げるボタクリ

 ブラックギャングの残党は街に戻った後負けた鬱憤を街の無抵抗な者に向けた。


 更に強力なボスと、ボタクリ以外の幹部を失い、抑えが効かなくなったブラックギャングは新たな派閥を作って争い、女をめぐって争い、7日も立つ頃には街の住人の多くがまとまって王都に避難を開始した。


 今までブラックギャングに従っていた良心を持つ兵士が道中の護衛を引き受けた。


 3万人を誇った街の人口は3000人を切り、街は修羅場と化す。


 更にブラックギャングに家族や恋人を殺されたブラックギャングを狩る者も参戦し、街の魔物狩りは機能しなくなった。


 人同士が殺し合い、街にポイズンスパイダーも侵入して、様々な勢力が戦う修羅場と化した。


 ブラックギャングの強力なボスと幹部の力を失い、抑え込まれていた者が一斉に牙をむいたのだ。




 


 ボタクリは頭を抱える。


 ボスに全財産を奪われ、それからまた稼いだ分も奪われ、売り物も強奪され、ボタクリは力を完全に失っていた。


 まずい!このままでは殺される!


 ボタクリは王都へ避難する住民の誰からも誘われず、気づけば修羅場に取り残され、街の外は魔物だらけで外にも出られない状態となっていた。


 店の中にポイズンスパイダーが入ってくる。


「ひ!ひいいいいい!」


 ボタクリは裏口まで走り、必死で逃げ出す。


 外に出ると、違和感を感じる。


 天気がいいのに曇っている?


 上を見上げると、そこには通常のポイズンスパイダーより遥かに巨大な蜘蛛がボタクリを見下ろす。


 ボタクリは腰をぬかして失禁する。


「あ、あああああああ!ころさ、ころされ!ひいいいいいいい!」


 ボタクリをその後見た者は居ない。




 ◇





 ノーマの家に勇者・賢者・ミーア・ゴンが集まり丸いテーブルを囲む。


 テーブルにはミーアの作った料理が並び、きゅうだけはテーブルの上で食事を取る。


「これより、会議、始める」


「ここ数日特にそうだが、ポイズンスパイダーの数が多すぎるぜ」


「その通り、状況が、変わった」


「今までブラックギャングが危険だったけど、ポイズンスパイダーがもっと大変かもしれないって事かな?」


「そう、この出没頻度は異常、厄災級の魔物、居る可能性高い」


「厄災の魔物だべか!?だども勇者様なら勝てるでねーだか?」


「前戦った時は、周りの魔物を他の兵士が引き受けて、4人がかりで厄災と闘ってそれでもギリギリの討伐だったぜ」


「今、2人しかいない。ミントと100の兵士、戻ってこない」


「せめてノーマだけでも戻ってくれば、まだいいが、それでも厄災の魔物はどんなスキルを使ってくるか分からねーぜ」


 ゴンの顔が暗くなる。


「街を見に行こうとしたが、あまりにも魔物が多くて引き返して来たぜ」


「街の様子も、分からない、街の近くに厄災の魔物、居る可能性ある」


「何かできる事はあるかな?」


「今は、村の周りの魔物をとにかく狩るぜ」





 ◇




 巨大な蜘蛛の魔物は街の人間を捕食し、食らいつくした。


 更にポイズンスパイダーを使って、全方位を偵察させた。


「ぎちぎちぎちぎち」


「南に大量の餌、人が居る。南に向かう。わらわについてくるのじゃ」


 ポイズンスパイダーの群れがブルーカントリーに迫る。





 

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