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ブラックギャングとの戦い

 ブラックギャングのボスはボタクリを始め残った幹部達でパーティーを開いた。


 その費用はすべてボタクリ持ちである。


「400人のブラックギャングメンバーとナンバー4からナンバー8までの幹部に村を攻めさせた」

 ボスは大きな声で皆に伝えた。


 幹部にはワンからナインの1から9までのナンバーが与えられ、名前の代わりにナンバーで呼ばれる。


 なので幹部は全員で9名となる。


 序列の高い者が若いナンバーを与えられる。


 ボタクリはナンバーナインだが、戦闘力が弱く、その為ナンバーで呼ばれていない。


 ボタクリは幹部ではあるが他の幹部に比べかなり格下に見られているのだ。


「ナンバーフォーまで村を攻めさせたのですか?」

 ボタクリは驚く。


 ナンバーワンからフォーまでの4人は戦闘能力が特に高く、【フォー】は戦闘力だけで考えれば【ワン】より上とも言われている。


「フォーまで同行しては村の者を虐殺するのでは!?」


 ボスの顔色が変わり、ボタクリの肩を掴む。


「ボタクリ、俺達ギャングは舐められちゃなんねえ!2度と逆らえねーよう思い知らせる必要がある。村人は多少死ぬが二度と逆らえなくなる」


 ボタクリはガタガタと震える。


 フォーはボスと考え方が似ていた。


 特に舐めてくる奴は殺してでも思い知らせるという部分はまったく同じなのだ。


「も、申し訳ありません」


「これで村の連中は思い知るだろーよ!がははははは!」


 ボスは酒の瓶を持って他の幹部と話に行った。


 ボタクリは内心焦る。


 まずいまずい!


 ボタクリ商会の利益の多くが村から買い叩いた商品で成り立っている!


 村が半壊したら幹部の地位を維持できなくなる!


 ナンバーフォーはまずい!あいつだけは駄目だ!あいつは強いが殺しすぎる!





 ◇





 ブラックギャングの400人は村の前で柵を発見する。


 太陽は真上に登っていた。


「おい!前からあんな柵あったか?」


「わからねー。村にはこねーからよお」


 ナンバーフォーが叫ぶ。


 フォーは魔導士のローブを身に着けた男で、年は若いが、眼光が鋭く、威圧感を常にまき散らしていた。


「お前ら!400人で村の扉を開けてこい!」


「ひい!」


 フォーの言葉で皆の顔が引きつる。


 フォーに意見してはいけない。


 フォーは仲間でも躊躇いなく殺す人間だ。


「野郎ども!行くぞ!」


 ブラックギャングはフォーから逃げるように前に出た。




 400人のブラックギャングは柵の前に向かう。

「てめーら!ここを開けあがれ!」


「断る!帰れ!」

 黒目黒髪のリーダーと思われる男が叫ぶ。

 その男は肩に狐を乗せていた。



 村人が集まってくるが、皆武器を持っている。


「おい!俺達はブラックギャングだ!逆らったらどうなるかわかってんだろーな!?ああ!?」


 黒髪の男は指示を出す。

「入り口に石を積んで開けられないようにしろ!隊列を整えろ!」


 後ろに居たフォーが叫ぶ。


「柵の外にある家を燃やせ!」


 ブラックギャングは柵の外にある家を燃やしだした。


「ああ!俺の家が!!!」


「我慢するだよ!今は耐えるだ!」


「ぎゃははははは!ブラックギャング!全員突撃しろおおおお!逆らうやつは殺せえええ!」

 フォーの号令で皆柵に突撃してくる。


 黒髪の男が叫ぶ。


「矢を放て!殺される前に殺せ!」


 ノーマは殺しの罪をある程度自身が引き受ける為殺せと発言した。


 いざ人に矢を向けると打てない者も出てくる。


 出来るだけ精神的な壁を壊すため、『殺せ』という強い指示を出したのだ。


 村人全員が櫓の上と柵の隙間から矢を放ち、ブラックギャングに当てていく。


 柵を登ろうとするブラックギャング達を槍で突き倒す。


 フォーが叫ぶ。


「ファイブ!シックス!セブン!エイト!村人を殺せ!」


 4人の幹部の内セブン以外は全員男で、皆ナイフか短剣を装備していた。


 他の幹部もフォーには逆らわないし余計なことは言わない。


 幹部4人は斥候ジョブで柵を軽々と飛び越えてくる。


 ノーマは思った。

 強い奴は皆斥候か。

 まるで盗賊だな。


 村人が叫ぶ。


「ブラックギャングの幹部達だ!」


 フォーは勝ちを確信した。


 さっき村の中に居る猫耳治癒士に矢が当たりそうになり、それを庇った男が代わりに矢を受けた。


 それだけで村人の動きが一瞬止まった。


 奴らは戦いに慣れていない!


 村人どもは数だけは多い!だが、幹部の斥候4人に前線をかき回されれば、隊列はあっという間に崩壊する。


 しょせん村人は村人!


 雑魚の集まり!


 幹部は皆Cランクの斥候。


 村に高ランクの戦闘ジョブは居ないはずだ。


 村人を混乱状態にし、その後はゆっくり扉を開けて村人を殺していけば二度と逆らう気にはならない。


 これから調教してやるよ!豚どもが!






 だがフォーの予想は外れる。


 狐が放った火の玉が幹部に直撃すると一瞬で幹部1人の全身を焼き、その隙に囲まれ槍と剣で何度も突かれる。


 残り3人の幹部はさっきまで狐を肩に乗せた黒髪の男に一瞬で倒されていった。


 一瞬村人に混乱は起きたが、黒髪剣士がすぐに立て直した。


 あの黒髪剣士!あいつだ!


 あいつ1人の為に作戦を潰された!


 あいつは倒す必要がある!


 更に黒髪の男は、柵の外に出て、柵を登ろうとする仲間を後ろから斬り倒していき、逆にこちらの戦線が崩壊していく。


 あの黒髪剣士は俺達の戦線まで切り崩してくるのか!


 あの黒髪剣士を放置したらまずい!


 奴は柵の外に居る!


 俺が始末する!


 フォーは黒髪の男と対峙した。






 ノーマはブラックギャングを次々と倒し、確信した。


 勝てる!


 ブラックギャングより結束した村人の方が強い!


 幹部以外強い人間は居ない!


 これなら数の力で押し切れる!


 さらに俺のかく乱で奴らは混乱している!


 一気に畳みかける!


 だがその時、目つきの悪い男が俺に魔術攻撃を放ってきた。


「ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!」


「おいおい!仲間に当たっているぞ!」

 俺が避けたファイアがブラックギャングに直撃していく。


「は!余計なお世話だ!たまたま躱したくらいで粋がるなよ!おいお前ら!サボらずに村人と闘え!」


 フォーに身の危険を感じたブラックギャングはノーマとフォーから離れる。


 フォーに今まで何人もの仲間が殺されて来たのだ。


「あいつはフォーだ!ブラックギャングの幹部で最も危険な男だ!」


「あいつの性格は狂っている!ノーマ!気を付けてくれ!」


「分かった!そっちも気を抜かず戦ってくれ!」


 フォーとノーマは向き合い、2人の戦いが始まる。




最後までお読み頂きありがとうございます!少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!

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