勇者と賢者はノーマに迫る
勇者と賢者は南の街、ブルーシティーにたどり着いた。
勇者と賢者は立ち寄る村や町で魔物退治を懇願され、更に賢者の体調が悪くなり、山と森を通って南にやってきたノーマ一行に比べ大幅に歩みが遅れた。
皆勇者と賢者に頼りすぎるのだ。
「この街は王都より物価が高いぜ」
「入場料も、高かった」
「それに治安も良くないように見える」
「うん、ここはブラックギャングが支配している」
「ブラックギャング?なんだそりゃ?」
「ここ数年で、勢力を伸ばした悪者の集まり、1000人のギャングが街を支配して、兵士もその仲間」
「1000か、厄介だな」
「でも、狐の使い魔を連れた、黒目黒髪の男の、目撃情報があった」
「ノーマだな」
「ノーマ以外、居ない」
「どこに居るか分かるか?」
「ここよりさらに南のブルーカントリー、その村に居る、可能性高い」
「早速向かうか」
「他に気になる情報、あった」
「なんだ?」
「1つは、ブラックギャングが今南の村に、向かった。どうやら村を攻めようとしてる」
「ブラックギャング、悪そうな名前だぜ」
「ブラックギャングは1000人のメンバーからなる犯罪集団。2つめは、最近この街の周辺、ポイズンスパイダーの魔物、たくさん出てる」
「それが何か気になるのか?」
「大量のポイズンスパイダーの卵、産む魔物が居る、可能性高い」
「ボスクラスか、それ以上の厄災クラスか!」
「分からない」
「南の村はここからどのくらいの距離がある?」
「10キロ」
「少し休憩したら、南の村に向かうぜ。それとマギ、少し休め。顔色が良くないぜ」
「うん、少し寝てくる」
マギは部屋に戻っていった。
「ノーマ、やっと追いついたぜ」
ノーマが抜けてから賢者は前よりよく倒れるようになり、依頼達成の期間も長くなった。
それにより賢者が疲弊する悪循環となる。
やはりノーマの力は必要だ。
それに聖剣サンライトの中で眠るムーンライトの時間切れも迫っている。
早くノーマに聖剣を持たせないと、またムーンライトの山登りをする羽目になる。
◇
勇者と賢者は南のブルーカントリーを目指すが、異変に気付いた。
「なあ、ポイズンスパイダーの死体が多くねえか?」
「多い、しかもまだ新しい死体」
「ブラックギャングが村を攻めようとしているんじゃねーか?」
「それは分からない、でも、ポイズンスパイダーの傷は、人がつけた刃物の傷、可能性は高い」
「マギ、俺が背負う。走るぞ!いやな予感がする!」
「同意」
マギはシャインに抱き着いた。
勇者シャインはマギを両手に抱いて走った。
勇者と賢者。
ブラックギャング。
ノーマの居るブルーカントリーに両者が迫り、戦いが始まろうとしていた。
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