復唱ください。「旅に一袋!」
すさまじくご無沙汰しております。‥‥8話目になりますっ よろしくお願いします!
トクサさんの旦那さんが帰ってきて、夕ご飯を食べながらこの国の話を聞いて。
この世界に来させられた理由はなんとなくわかった。納得なんて出来ないけど…、話の途中から記憶がない。お腹が満たされて寝ちゃってたみたい。トクサさんが(魔法で)ベッドまで運んでくれたらしくて、お恥ずかしい。
シノムンさんごめんなさい!
あ、わたしが寝た部屋は王都で働いているひとり息子さんの使ってた部屋だったみたい。息子さんいるんだー、と思って、
「おいくつなんですか?」
って聞いたらトクサさんが、
「たしか43だったかねぇ?」
とおっしゃいました。
ほわい?
トクサさんがそのくらいなのでは…?
「やだねぇこの子は、お世辞が上手いじゃないか!」
だって。・・・・・むむむ?
現在、翌朝。
熟睡しちゃった~ははぁはーーあぁ~~。
ごめん、今の欠伸。
えぇと、朝ごはんをご馳走になりまして(ピンク色のお粥?っぽいものとルビー色のお茶だった。起きたらもうできてたから、材料はよくわからない!けどおいしかった~)食べ終わったら、服を着替えろと。そのまま寝たから自分ちょっと不潔だった?!とか思ったけど、今日はシノムンさんと一緒に役場へ行くことが決まってたみたい。で、この制服(だけじゃなくて、・・・・・・あー、一切合切)を国に提出しなければならないとのことです。
・・・・・。
ほわぁーい!!
憧れの高校の制服着用通算1日目だったんですけどー?!
「絶対に?」
どうしても?
「決まりだしねぇ」
「例外はないんですか?」
「転移してきた人は皆そうだって話だから、あきらめておくれね」
えぇぇぇ。
なんか突然抗いがたい感じに・・・・。
せ、せめて洗濯してからにしません?は?この袋に入れて持っていけばキレイになるから心配いらない?
え?!
なにそれ一家に一台じゃなくて旅に一袋?!魔法だー!!
「そうかい?あたしには原理はわかんないけどねぇ」
と、トクサさん。シノムンさんまで引いてました。どうも、こちらの世界の常識のようです。
旅に一袋。
あ、旅に出るとき専用みたい。家にいるときは普通にお水で洗濯するみたい。旅の間は水の確保がどうとかって。
ひとりで騒いだ後、トクサさんの服をお借りしてベッドを使わせてもらった息子さんの部屋に戻ってもそもそと着替えたよ…。あと着ていた制服もきちんと畳んで袋に入れた。
さらば、高校の制服…
泣いていい?いいよね!
よーし、女神様のリフジーンッ!!!!!
…はあ。
あとトクサさんの服、ちょっぴり大きいです、ぶかぶか。花の女子高生としてはイマイチであることを(口には出さないけど)記しておきます。
色もトクサさんが手に持っていたときはなんかオレンジ?ミカンっぽい色の服だったのに、すぅーーーっと、色が抜けましたよ。えぇ、何事………???白くなっちゃったよ??
それにこの袋、ただの麻袋って奴なんじゃ??本当に洗濯機相当の能力が備わってるの??
トクサさんとシノムンさんの待ってるところに戻ってきて。
びっくりというか、変な服だなぁって今着ている服を見てたらシノムンさんが、
「あぁ、そんな服は多分この国だけだからびっくりしたろう。カオリはまだ番…うーん、伴侶がいないから当然色は白くなる。」
??
当然と言われましても…。
脱色?脱色なんですか??
「色は魔力とかで染まるらしいから、まあ、間違っていないね!!」
わたしの発言を聞いたトクサさんが大雑把にまとめた。
「さて。服も着替えてもらったし、制服?も袋に入れたな。トクサ、カオリと行ってくる」
「あいよ。おっと、カオリ忘れ物だよ。あとお昼には帰っておいでよ」
トクサさんはおもむろにクッションの上の犬を摘まんで寄越した。
…………そうですね、飼い犬には責任を持たないとですよね、わかりました。
うん、服のポケットに入れてしまおう。
「よし!いってきます!」
よし!と言ったはいいけど、役場って遠いのかな?
「役場って、遠いんですか?」
「あぁ、いや、3㎞くらいか?」
うーん、ちょっと遠いみたい?
「あぁ、心配いらない。さすがに歩くと時間がかかるからね、馬車乗り場がすぐそこだから…」
トクサさんの家から歩いてきた道を左に曲がり、少し進んだところに……………………バス停があった。
読んでくださりありがとうございます!!
頭の中にぐるぐると構想はあるのですが書くというのは自分には難しいことだったようです‥‥。次いつになるかはわかりませんが、次回、制服との別れ(仮)みたいになる予定です。